男性サラリーマンが女性の制服を着てOLとして働くよう追いやられる小説

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まず、Amazon原作開発プロジェクトコンテストで優秀賞を受賞した「採用面接」は男性サラリーマンが女性の制服を着てOLとして働くよう追いやられる小説の代表といえます。

性転のへきれきシリーズの小説は基本的にMTFのTS小説ですので、主人公がサラリーマンの場合はOLとして働く羽目に陥る(落とし入れられる)という状況が往々にして起きてしまいます。一般職に制服が制定されている場合はOLの制服で働き、舞台が病院の場合はナース服ということになるわけです。

最近の作品では「私はこれで会社を辞めました:今日からOLになりなさい」がその最たるものです。仕事中にポケモンGOをしたために厳しすぎる処分を受けた社員が腹いせに自分の経験を脚色して小説として出版しますが、名誉棄損で訴えると迫られて、話の辻褄を合わせるためにOLとして働くことを余儀なくされます。

落第ヘルパー」は性転のへきれきシリーズの中でも最も人気の高かった小説で病院を舞台にした医療小説です。4月1日から研修医として就職するはずの医大を出たばかりの主人公の男性が、3月はヘルパーとして働くことになるのですが・・・。

「落第ヘルパー」の後に出版された「他人の空似」も病院が舞台の小説です。

うちの会社のいい所:性別による差別がない会社」の主人公は国際事業部の新入社員で、隣りの課の奈帆に淡い憧れを抱いていました。奈帆から実は自分は年上の人からプロポーズを受けたと打ち明けられた日、主人公は奈帆に自分こそは奈帆に相応しい結婚相手だと名乗り出る決意をします。日本の企業のLGBT対応を背景にして、どの会社で起きてもおかしくない、性別を越えたカップルの誕生や、それに伴う社員の常識の変化に関する小説です。

会社の中の境界線」で主人公が就職した会社には制服はありません。ゲームソフトウェアの会社です。男女の境界が無いのがこの会社のモットー。しかし気が付いてみると会社で上位職の社員は全員が女性でした。

ホームレスあがり:今日からOLになりなさい」の主人公は大卒後サービス業のブラック企業に就職しますが退職に追いやられホームレスになります。ひょんなことから親切な紳士と出会い、その紳士の経営する企業グループに就職することになるのですが……。

合コンはB案で」の主人公は同じ課の一般職の女性から合コンでドタキャンが出たということで代役として誘われます。四対四の合コンに行ってみると自分以外の七人は全員が女性でした。相手方の四名は医者、弁護士など。こちら側の四人のうち一人は同じ課の総合職の女性上司でしたが、主人公は彼女の機嫌を損ねた結果大変な目に合うことになります。

女性上司の妻になった男」に登場するのは35歳のエリート女性上司です。主人公は新入女子社員(長身帰国子女)を指導する立場だったのですが、優秀すぎる後輩との立場がだんだん微妙に……。

偽装のカップル」では主人公は義父の会社のナンバー2としてスカウトされたと思い込んで意気揚々と出社します。しかし主人公を待っていたのは……。

女性上位の広告代理店」では新入社員60人のうち、主人公の男性を含む総合職3人、一般職3人がFPU部門に配属されます。FPUは総員30名ですが主人公がただ一人の男性です。職場の花としてちやほやされるのは良いのですが……。

女性管理職になりたかった男」は性転のへきれきシリーズの第18作目の作品ですが、実は第20作目となる予定を繰り上げて完成し出版したものです。繰り上げた理由は第15作の「一般職になった男」の販売が異様な好調ぶりだったので、「男性サラリーマンが何らかの事情で女性の制服を着てOLとして働くように追いやられる小説」が待望されているのだろうということで、同様のテーマの作品を先行させたのです。

究極は「世界維新」ではないでしょうか? 世界維新の結果、全世界の男性が補助的な職業にしかつけなくなり事務職の場合OLの制服が当然になります。

一般職になった男」は題名がそのものずばりなので、キーワード検索から購入されるのだろうと推測していますが、性転のへきれきシリーズで「OLになる」ストーリーは沢山あります。

かおりの場合(ラブストーリー)」は、建設会社の情報システム部に勤務していた男性の転職先が女性が主力の企業で、ある事情により女性のフリをして働くことを余儀なくされるというストーリーです。但し、女性のプログラマーとして働き、いわゆるOLではありません。また、その会社には制服がなく私服のスカートでの勤務となっています。

えりの場合(あなただけが好きだった)」の主人公は証券会社のエリート社員で最年少副部長ですが、ある事情により子会社に左遷させられます。出向先では当然経営陣の一角だろう思って出勤してみたら「お前は一般職だ」と言われ、むりやりその場で制服を着せられます。

日本で同性婚が許可になった日:文夫の場合」では、主人公が年上の一般職社員の策謀によってOLの制服を着る状況に追い込まれ、そのまま帰宅させられます。

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【まとめ】男性サラリーマンが一般職OLとして仕事をさせられる小説

題名をクリックするとその小説の説明ページに移動し、試読をクリックするとその小説の試読ページに直接飛ぶことができます。

  • 仮面小説家  試読
    サラリーマン作家の丹下はコミック作家とのコラボのためにコンベンションに参加し、秋葉出版から「失われたアイデンティティー」の出版とTVドラマ化の提案を入手する。トントン拍子に進み、順風満帆に見えたが落とし穴が待っていた。
  • 異性装の果実  試読
    30歳のサラリーマンの二階堂は寝不足のため早退してフィットネスクラブに行くが、風呂で自分の会社の社長と出会う。社長から「取締役にならないか」と勧誘され、若干不安はあるがまたとない好機だと判断して書類にサインし、株主総会に向けて準備が開始される。
  • 失われたアイデンティティー  試読
    主人公の間宮孝太郎はエリート商社マンで本社の課長をしている。新しい派遣社員はアンバランスで場違いな感じのする若い美人だった。課で彼女の歓送会が催され、お酒の回った間宮は酔った彼女をタクシーで家まで送る。彼女の誘いに乗って部屋に入ったのが大きな間違いだった。
  • 混浴露天風呂で出会った美しい人  試読
    大学卒業を目前に控えた主人公は友人と湯西川温泉に行き、橋の下の無料野天風呂「薬研の湯」で雪見風呂を楽しむ。その時、長身の美女が薬研の湯に入ってきて、主人公は彼女の美しさに打たれる。言葉を交わすこともなく、その幻の美女は夕闇の雪の中へと立ち去る。サラリーマンになった主人公は取引先の会社で幻の美女と再会する。
  • 草食男子:美しすぎる上司たち  試読
    主人公が勤務する会社でWork Life Balanceを推進するWLB委員会が立ち上がり斬新な新企画を提案した。女性が男性と同様に活躍できる環境にするには「男性が女性と同様に生活を重視できる環境」を作るのが近道であるというのがWLB委員会の主張だった。WLB委員会の新企画「草食男子育成計画」とは?
  • シングルマザー:体験して初めてわかる真実  試読
    主人公は大手総合商社の営業部門に勤務する2年目のサラリーマン。アシスタントの一般職女性が出産休暇に入り派遣社員が来る。彼女はシングルマザーで9:30~16:30の勤務となるが、個人的な都合で早退、遅刻、欠勤が続き、しわ寄せに苦しんだ主人公はつい暴言を吐いてしまう。その暴言のせいで主人公はのっぴきならない立場へと追い込まれる。
  • 採用面接  試読
    2017 よしもと・Amazon 原作開発プロジェクト・コンテスト優秀賞受賞作品。入社4年目の商社マン佐倉恵斗が主人公。恵人は新入社員の時にニューヨーク研修を経験しニューヨークへの憧れが強いが、駐在の話はなかなか回ってこなかった。そんな頃、ニューヨークの企業を買収し幹部としての派遣要員を募集中のメーカーから誘いを受けた恵斗は、渡りに船と転職する。
  • 私はこれで会社を辞めました:今日からOLになりなさい  試読
    入社4年目の航平は会社の抜き打ち検査で勤務中にポケモンをしたのがバレて降格処分になり総務部ハキダメ課でお茶出し・コピーの毎日。辞表を叩きつけて「ポケモンGO私はこれで会社を辞めました」という私小説を電子出版したところ大ヒット。しかし小説を読むと実在の人物が連想され訴訟の危機に!
  • うちの会社のいい所:性別による差別がない会社  試読
    日本の企業のLGBT対応を背景にして、どの会社で起きてもおかしくない、性別を越えたカップルの誕生や、それに伴う社員の常識の変化に関する小説。主人公の深澤明日香は国際事業部米州部第二課の男性新入社員で、第一課の岩倉奈帆に淡い憧れを抱いていた。奈帆から実は自分は年上の人からプロポーズを受けたと打ち明けられた日、明日香は奈帆に自分こそは相応しい結婚相手だと名乗り出る決意をした。
  • ホームレスあがり:今日からOLになりなさい  試読
    ブラック企業で酷使されて心神喪失に近い状況で放り出され、ついにホームレスになってしまった青年が、北千住駅の階段を空腹でフラフラしながら降りていて、中年紳士と肩がぶつかり階段を転げ落ちる。中年紳士はホームレスの青年に牛丼を食べさせ、風呂で身体を洗わせる。身の上話を聞いて親身になり、就職を世話してやろうと言い出す。大手紳士服チェーンに連れて行かれ就活のためのスーツを買ってくれることになるが、バーゲンの「就活五点セット」はホームレスの青年が予想もしなかった取り合わせのものだった。
  • 合コンはB案で  試読
    新入社員の遠山涼(僕)は同じ課の2年先輩の一般職の恵子から当日の合コンに誘われる。4対4の合コンで相手は社外だが「ひとりドタキャンが出たので代わりに出て欲しい」と言われた。合コン相手の4人は全員女性であり、8人のうちで僕一人が男性とのこと。合コンにはA案とB案があり、今日の合コンはB案とのことだった。「B案とはビーアン、つまりレズビアンの隠語よ」と聞いて驚く。最近、合コン相手の男性の経済レベルが落ちすぎたので、高収入の女性を相手にしたB案の合コンが流行っているらしい。女医、弁護士、公認会計士の女性が来るとのこと。そんな不自然な結婚には興味が無いと断ったが、費用は全額相手持ちと聞いて、まあいいか、と気軽に参加した。「ただより高いものは無い」という言葉があるが、僕が一体どうなるのかは小説を読んでのお楽しみ。
  • 偽装のカップル  試読
    主人公は高校のサッカー部以来の親友の豪太から、上京する両親との食事に同席してくれと頼まれる。豪太は大会社の社長の跡取り息子で、親から主力銀行の頭取の娘との見合いを迫られており、断るために女装をして彼女のフリをしてほしいとのことだった。
  • 女性上位の広告代理店  試読
    主人公の男性は入社するまでそれが女性が主流の会社とは知らなかった。同じ部門に同期の総合職女性2名と一緒に配属されたが、同じ総合職なのに主人公だけは特別扱いで、同期社員にコピーやお茶出し、使い走りを指示される毎日が始まった。他部門に配属された同期の男性は主人公と同様に補助的な仕事しか与えらえない人もいれば、女性と並んで総合職らしい仕事をしている人もいることが分かってきた。
  • 女性管理職になりたかった男  試読
    主人公の勤め先の会社で女性管理職比率を上昇させるための奇策がぶち上げられる。30代前半の小柄で細身の男性が4名指名されて課長に抜擢すると言われた。但し、それには条件があった。女性の課長として抜擢するという話だったのだ!
  • 一般職にされた男  試読
    浜口直樹は大学の同級生の玲子と結婚を約束し、同じ会社に就職した。直樹は総合職、玲子は結婚後は家事と子育てを優先するため一般職として入社する。しかし玲子は社内試験でトップの成績を取りTOEICは870点、一方の直樹は600点に満たず、開発課では女性の新課長の下で残業続きだった。会社が外資に買収されてアメリカ人女性の新社長が新人事政策を打ち出す。ある日、玲子が総合職に転換され開発課に異動になる。そこまでは良かったのだが、その次に掲示された異動辞令によって直樹と玲子の関係が根本的に変化する。開発課で寿退職する女性の後任として、直樹を一般職に転換するという辞令だったのだ。
  • スカートの男たち:ある地方都市の社会実験  試読
    題名から推察される通り、ある地方都市の市役所で男子職員のスカート着用を推進するプロジェクトがスタートする。主人公は東京の会社を辞めてUターンし市役所に臨時職員として勤め始めるが、そのプロジェクトの担当者に指名されて奮闘する。「スカートの男たち」は日本のどこかの地方都市で明日起きてもおかしくないリアルな長編小説といえる。
  • 日本で同性婚が許可になった日:文夫の場合  試読
    主人公は同性婚が許可になったというニュースを見て自分には関係が無い話だと思っていた。しかし、ある日、課長から呼び出された主人公は、新しい法律が自分にも大いに関係があったことを実感する。課長から結婚指輪を差し出されたのだった。
  • 性転のへきれき かおりの場合:ラブストーリー  試読
    主人公は建設会社の情報処理部門の社員だったが不当な冷遇を受けてソフトウェア企業に転職する。そこは経理部門以外は全員が女性の会社だった。主人公は新しい職場環境になじみ上司にも恵まれて仕事に励む。しかし、主人公は少しずつ、着実に女性化の道を歩んで行く運命にあった。上司の律子との恋のテーマが感動的。

これは性転のへきれきTS文庫、日英TS文庫、その他の桜沢ゆうの出版物を紹介するHPと桜沢ゆうのブログを兼ねたサイトです。桜沢ゆうは千葉県在住の作家で、1997年に処女作「性転のへきれき(ひろみの場合)」を出版して以来創作活動を続けており、数多くのロマンス小説、ファンタジー小説、サスペンス小説、ソフトSF小説などを出版しています。作品の多くは性同一性障害、性転換のテーマを扱っています。小説の分類としてはTS小説が多く、その他は純文学となります。

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