男性サラリーマンが一般職の制服を着て仕事をさせられる小説、他

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桜沢ゆうの全作品(日本語版)をストーリーのパターン別に分類して見ました。性転のへきれきTS文庫と日英TS文庫の両方を網羅しています。

男性サラリーマンが一般職の制服を着て仕事をさせられる小説

何らかの理由により追い込まれてOL化を強いられるというストーリーはオフィスもので最も人気があり、性転のへきれきTS文庫には数多くの小説があります。

  • 日本で同性婚が許可になった日(文夫の場合)
    渋谷区で同性カップルを結婚に相当する関係と認める証明書の発行に関する条例ができ、アイルランドでは同性婚を合法とする憲法改正が国民投票の結果決定された。日本でも国際的な潮流に沿って同性婚が合法化されたら……。主人公は同性婚が許可になったというニュースを見て「あっ、そう。僕には関係ないけど」と思った。自分の回りにホモやレズの人は居ないし、自分は女性にしか興味がないから、そんな法律が出来ても自分に影響があるはずがなかった。ところが、ある日、課長から呼び出された主人公は、新しい法律が自分に重大な影響を及ぼそうとしていることを知って愕然となる。なんと、課長から「結婚してくれ」と言われたのだった。
  • スカートの男たち
    題名から推察される通り、ある地方都市の市役所で男子職員のスカート着用を推進するプロジェクトがスタートする。主人公は東京の会社を辞めてUターンし市役所に臨時職員として勤め始めるが、そのプロジェクトの担当者に指名されて奮闘する。「スカートの男たち」は日本のどこかの地方都市で明日起きてもおかしくないリアルな長編小説といえる。
  • 逆転カップル:一般職にされた男
    浜口直樹は大学の同級生の玲子と結婚を約束し、同じ会社に就職した。直樹は総合職、玲子は結婚後は家事と子育てを優先するため一般職として入社する。しかし玲子は社内試験でトップの成績を取りTOEICは八百七十点、一方の直樹は六百点に満たず、開発課では女性の新課長の下で残業続きだった。会社が外資に買収されてアメリカ人女性の新社長が新人事政策を打ち出す。ある日、玲子が総合職に転換され開発課に異動になる。そこまでは良かったのだが、その次に掲示された異動辞令によって直樹と玲子の関係が根本的に変化する。開発課で寿退職する女性の後任として、直樹を一般職に転換するという辞令だったのだ。
  • 女性管理職に志願した男
    女性の地位向上、女性の戦力化は日本の多くの企業での重要課題だが、主人公の勤務する会社では、女性管理職比率を上昇させるために、ある奇策がぶち上げられる。三十代前半の小柄で細身の男性が四名指名されて「来年の四月一日付で課長にしてあげよう」と言われる。しかし、それには条件があった。女性の課長として抜擢するという話だったのだ!
  • 女性上位の広告代理店
    玲菜(主人公の男性)はプロモクリエイト社に入社するまでそれが女性が主流の会社とは知らなかった。新入社員六十人のうち、玲菜を含む総合職三人、一般職三人が「FPU部門」に配属される。FPUは総員三十名で玲菜は「白一点」の存在だと分かった。玲菜は配属されるまではFPU部門長に特別にひいきされていると感じていたが、同期の総合職の二人の女性は名刺を持たせてもらえたのに玲菜だけはもらえなかった。職場の会議でも玲菜は途中で退席させられ、お茶を入れるよう命令される。総合職どうしなのに玲菜だけは特別扱いで、同期社員にコピーやお茶出し、使い走りを指示される毎日が始まった。他部門に配属された同期の男性は玲菜と同様に補助的な仕事しか与えらえない人もいれば、女性と並んで総合職らしい仕事をさせてもらっている人もいることが分かってきた。
  • 偽装のカップル
    大学卒業間近の朝比奈豪太は朝比奈グループの総帥の長男で、高校時代はサッカー部のエース。高一の時に同じサッカー部の補欠で同じ大学に進んだ佐藤楓(主人公)の親友だ。主力銀行の頭取が豪太を気に入って娘との見合いを朝比奈社長に申し入れる。その女性はミス福島で一位を逃した長身の美女だったが、豪太のタイプは小柄で可愛い女性であり、まだ結婚するつもりはなかったので、親から見合いを迫られて逃げ回る。それほどの美女との縁談を断るなんて、もしかしたら豪太はゲイなのではないかと疑う両親。豪太が東南アジアに一ヶ月の卒業旅行に行くことを知った両親は、豪太を説得するために上京する。豪太は見合いを断るには、他に好きな人がいることにするのが一番だと考え、婚約者のフリをしてくれる代役を探した。
  • 女性上司の妻になった男
    本郷咲良は二十三歳の美少年系で国際営業部営業第二課の社員。直属の上司は小芝玲央という元ミス東京で一位を逃した三十五歳の長身美女で、超一流大学卒、TOEICも九百二十点。最年少課長になるのも近いと噂されているエリートだった。咲良の部下は新入社員の藤丘慶子。帰国子女でちょっと生意気。大学は小芝玲央の後輩で英語はペラペラ、小芝と同身長の美女で、話していても賢いのがミエミエ。咲良は、数年もすれば慶子の方が自分の上司になって自分は慶子に敬語でしゃべる羽目になるのではないかと内心気が気ではなかった。これは性転のへきれきシリーズの長編小説なので、本郷咲良が慶子にこき使われる立場になりそうなことは読者にとっては一目瞭然。OLにされてしまいそうな予感も……。でも、そんな単純な話では終わらない。最後までやきもきさせられる長編エンターテインメント・サスペンス。
  • 合コンはB案で
    新入社員の遠山涼(僕)は同じ課で二年先輩の一般職の恵子から当日の合コンに誘われる。四対四の合コンで相手は社外だが「ひとりドタキャンが出たので代わりに出て欲しい」と言われた。合コン相手の四人は全員女性であり、八人のうちで僕一人が男性とのこと。合コンにはA案とB案があり、今日の合コンはB案とのことだった。「B案とはビーアン、つまりレズビアンの隠語よ」と聞いて驚く。最近、合コン相手の男性の経済レベルが落ちすぎたので、高収入の女性を相手にしたB案の合コンが流行っているらしい。女医、弁護士、公認会計士の女性が来るとのこと。そんな不自然な結婚には興味が無いと断ったが、費用は全額相手持ちと聞いて、まあいいか、と気軽に参加した。「ただより高いものは無い」という言葉があるが、僕が一体どうなるのかは小説を読んでのお楽しみ。
  • ホームレスあがり
    ブラック企業で酷使されて心神喪失に近い状況で放り出され、ついにホームレスになってしまった青年が、北千住駅の階段を空腹でフラフラしながら降りていて、中年紳士と肩がぶつかり階段を転げ落ちる。中年紳士はホームレスの青年に牛丼を食べさせ、風呂で身体を洗わせる。身の上話を聞いて親身になり、就職を世話してやろうと言い出す。大手紳士服チェーンに連れて行かれ就活のためのスーツを買ってくれることになるが、バーゲンの「就活五点セット」はホームレスの青年が予想もしなかった取り合わせのものだった。
  • 会社の中の境界線
    境界が少なく自由に乗り越えられる社会とは? この物語の舞台であるトランスボーダー・インクは「境界を廃した会社」という理想を掲げる社長が率いる新しい会社だ。境界を廃することにより革新的なアイデアや製品を作り出すことが狙いだ。三人の創業者が社長と管理部長、営業部長としてトランスボーダー・インクを率いており、この三人以外は全員が標準職社員となっている。美少年系の青葉麻有はトランスボーダー・インクが三年後の上場を目指すIT企業だという点に魅力を感じ、どんな業務内容の会社かを知らずに採用面接を受けて内定をもらった。母親から「ブラック企業じゃないだろうね」と心配されたが、入社してみると、ホワイトどころか透明とも言える会社で、自由にクリエイティブな仕事をさせてくれるし、定刻に帰れる会社だった。その会社はトランスボーダーという名前のソフトウェアのメーカーで、女性戦士が美少年をつかまえて女性化するという内容のゲームで有名だった。入社してみると若い男性社員は特別な更衣室と大きいロッカーを与えられ、何かにつけて特別待遇されていた。しかし「特別待遇」が必ずしも心地よいものではないことが分かってくる。
  • うちの会社のいい所(性別による差別が無い会社)
    日本の企業のLGBT対応を背景にして、どの会社で起きてもおかしくない、性別を越えたカップルの誕生や、それに伴う社員の常識の変化に関する小説。主人公の深澤明日香は国際事業部米州部第二課の男性新入社員で、第一課の岩倉奈帆に淡い憧れを抱いていた。奈帆から実は自分は年上の人からプロポーズを受けたと打ち明けられた日、明日香は奈帆に自分こそは相応しい結婚相手だと名乗り出る決意をした。
  • 今日からOLになりなさい:私はこれで会社を辞めました
    入社四年目の航平は会社の抜き打ち検査で勤務中にポケモンをしたのがバレて降格処分になり総務部ハキダメ課でお茶出し・コピーの毎日。辞表を叩きつけて「ポケモンGO私はこれで会社を辞めました」という私小説を電子出版したところ大ヒット。しかし小説を読むと実在の人物が連想され訴訟の危機に!
  • 採用面接
    入社四年目の商社マン佐倉恵斗は新入社員の時にニューヨーク研修を経験し、いつかはニューヨークで働きたいと熱望していた。しかし、研修から帰国後は国内中心の部署に回されて、いつになったら海外に出られるのだろうと焦りがつのっていた。そんな時、ニューヨークの企業を買収し幹部としての派遣要員を募集中のメーカーから誘いを受けた恵斗は、渡りに船と転職を決意する。この物語の中で恵斗は四度の採用面接を経験する。一度目は採用面接と意識しないままの面接、二度目は採用側の面接官としての面接、三度目は米国企業の社長による面接、そして四度目は究極の採用面接。それらの採用面接のたびに恵斗は絶頂とどん底の間で揺れに揺れるが、怒涛のように押し寄せる様々な困難を乗り越えて、本当の幸せとは何かを自らに問いながら強く生きていくのだった。
  • LGBT婚活コンシエルジュ
    大学三年生の加賀見空は就活を有利にしたいと考え、夏休みを利用して神楽坂にある大手出版社の長期インターン社員になった。実質的にはバイトだったが、加賀見は編集の仕事に憧れており、女性向けの週刊誌の編集グループで張り切って働いていた。そんなある日、女性編集者の一人が産休に入った穴埋めとして、加賀見は実力派編集者である玉井綾香のサブとして取材に加われることになる。綾香が手掛けていたのは浅草猟奇殺人事件。二十のOLが浅草のホテルで無惨な姿で殺されていたという事件だった。被害者だけでなく、交際していた男性二人が、ある婚活サービスに会員登録していることが判明し、加賀見は潜入取材を命令される。手に汗握る潜入取材と、加賀見に迫る生命の危機……。
  • 僕はシングルマザー
    主人公の陽詩(ひなた)は大手総合商社の営業部門に勤務する二年目のサラリーマン。課の日常業務を切り回す一般職社員が出産のため休暇を取ることになり、その穴埋めに関連企業のスタッフサービス会社から三十代後半の畑中葉子が派遣される。畑中はシングルマザーで子供を保育所に送り迎えする必要があるため、九時半から四時半という勤務条件で派遣契約している。陽詩は派遣社員の勤怠管理者に任命されて張り切るが、シングルマザーとはどんなものかということを把握していないため、二人の関係は空回りする。畑中が時間通りに勤務できない場合も、陽詩は忍耐強く畑中の仕事を手伝うが、不満が徐々に鬱積し、畑中に対して本来言ってはならない発言をしてしまう。畑中との関係から生じる軋轢により徐々に苦境へと追いやられる主人公を、職場や人事部の人たちが暖かくサポートしてくれる。しかし、会社組織は関係者の個人的な気持ち通りには動かず、主人公はのっぴきならない立場へと追い込まれるのだった。
  • 草食男子
    電通社員の自殺事件が大きく取り上げられて社会問題になってから数ヶ月後、主人公が勤務する会社で「WLB委員会」が立ち上がった。WLBとはWork Life Balanceの頭文字だ。WLB委員会が発表した具体策の提案は斬新な内容だった。「『男性が女性と同様に生活を重視できる環境』を整えることが『女性が男性と同様に仕事で活躍できる環境』以上に重要なのではないかと考えています。度を超えた長時間労働やサービス残業は会社トップの方針だけでなく、仕事のために私生活を犠牲にすることを美徳と感じる従業員が、不健康な社風を容認しているから起きるのではないでしょうか?女性はライフサイクルもあって生活を犠牲にしてまで働くことを本能的に避ける体質を身につけていますが、男性の場合は出世欲、同僚を凌駕したいという欲望、闘争本能が強く働きます。『男子はこうあるべきだ』という常識を壊さない限り、本質的な改善は不可能です。」WLB委員会の『草食男子育成計画』とは?
  • 混浴露天風呂で出会った美しい人
    卒業を二ヶ月後に控えた大学生の「僕」は友人と二泊三日の温泉旅行に出かける。二月初旬の湯西川温泉は雪に包まれている。夕暮れが迫り、橋の下の無料野天風呂「薬研の湯」に浸かって一人で雪見風呂を楽しんでいると、長身の美女が橋から降りてきて服を脱ぎ始める。僕はその女性の美しさに呆然となる。短い至福の時間が過ぎる。言葉を交わすこともなく、彼女は夕闇の雪の中へと去っていく。幻の美女の強烈な印象が、恋心として昇華しないまま時が過ぎる。サラリーマンになった僕が幻の美女と再会した時、運命の歯車が回り始める。
  • 三つの願い
    主人公は外資系保険会社の入社二年目の冴えない感じの社員。テレビでお笑いコンビが「三つの願い」というネタをやっているのを見て、もし神さまが自分の前に現れて三つの願いをする機会を与えられたらどんな願いを言うべきかと考える。「長身のイケメンになって、いつも女の子が自分の周りに群がるようになってほしい」という単純な願いを思いついた。ある日、ひょんなことから彼は三つの願いを唱える機会を与えられることになる。
  • 踊り子(錦糸町編)
    入社式に臨んだ鈴太郎は微妙な違和感を覚える。就職した会社がユートピアでは無いと気づいたが、新しい環境に慣れその魅力に気づく。それまでの価値観が根底から揺さぶられ、恋に翻弄される主人公を襲う疾風怒濤。
  • 異性装の果実
    三十歳のサラリーマンの二階堂は「取締役にならないか」と勧誘を受ける。社長から詳細説明を聞き、リスクに値するチャンスだと判断し、書類にサインして株主総会の準備が開始される。
  • 鈴太郎の恋(日本で同性婚が許可になった日)
    同性婚シリーズ第二弾。新入社員の鈴太郎が男性上司からプロポーズされ、三人の男性と元カノの間で翻弄される悲喜劇。

医療もの

病院を舞台にしたTS小説の場合、主人公の男性はナース服を着るか女性ヘルパーとして勤務するように追いやられます。

  • 落第ヘルパー
    医学部を卒業して四月から研修医になる予定の主人公が、その病院に三月からバイトで働き始める。バイトといっても、主として内科での予備研修をするのだが、一応ヘルパーの職員として正式採用された形になっている。その年は医師国家試験の合格発表日が三月二十九日で、合格発表まではあくまでヘルパーの立場で医療現場を経験することになる。病院は女性が主役の職場だ。経営層は男性で占められ、医師たちも女医を含めていわゆる男性的視点が支配的なのだが、実際の医療の大半は女性の手で動いている。多くの女性がそれぞれ医療への想いを胸に抱いて、使命感を持って頑張っている。病院の職員の性格も千差万別で好き嫌いもあり、人間ドラマが渦巻いている。この長編小説の主役は数人の女性で、主人公は脇役と言った方がよいかも知れない。主人公は病院の中の世界を下から見上げるような視点で、毎日新たな難局に遭遇して、「主役たち」に助けられたり叱咤激励されたりしつつ難局を乗り切る。これでもか、これでもかというほどの難局を主人公と一緒に体験できるシリアスなTSエンターテインメント作品。
  • 他人の空似
    前期試験が終わり夏休みに入った外語大の一年生の更科瑠衣は、大学の近くのマクドナルドで隣に座っていた男性から話しかけられる。二人はお互いの顔を見て自分とそっくりなことに気づき唖然となる。二人は意気投合し、入れ替わってお互いの人生を体験してみようと盛り上がる。翌日更科瑠衣は相手の男性が母親と二人暮らししている家を訪問する。不思議な偶然と思惑によって人生の歯車が予期せぬ方向に回り始める。

SF

性転のへきれきTS文庫はリアル系が大半ですが、SFまたは超自然的な力により性別が変わる小説も十作品以上存在します。

  • 津波に飲まれた性別(幽かな友人・私を愛した幽霊)
    主人公の少年は小学校六年で両親を亡くし過去の記憶を失ったまま山梨の祖父母の子供として育つ。千葉の大学に進学して小六の同窓会案内が届き、不安を抱きながら福島の小学校の理科室で二十人のクラスメートと懐かしい出会いを果たす。翌日、実家の祖父母からクラスメートは全員が津波に飲まれたと聞かされる。
  • 私を離さないで(危険な誘惑原作)
    危険な誘惑は二十八歳のOLの目を通して、女性にとっての快感とは何かという質問に対する答えを究極まで問い続ける、新しい形のシリアス・エンターテインメント作品。秋葉原を舞台として軽快なタッチで始まるストーリーを楽しく読み始めると、あっという間に未来シミュレーターが展開する世界に引きずり込まれてしまう。あなたは、どんな現実よりも現実的なその世界に足を踏み入れると、身動きできなくなってしまうかもしれない。
  • 危険な誘惑・MTF版・犬になった女
    二十四歳のサラリーマン凜太郎は、自分の奥底にある願望が予想しがたい形で実現される未来シミュレーターというシステムに出会い、恋人の優樹菜を巻き込んで、別世界へと旅立つ。その世界で、凜太郎は凛子という女性になるだけではなく、予想もしなかった怖ろしい状況に置かれる。極限の設定の中で凛子が経験することは、読者の心の奥底に長年消えないほどのショックを残すかもしれない。MTFとは何なのかを突きつける最終章にも注目。
  • 男が妊娠・出産する世界
    男女二カップルの大学生四人組は卒業旅行に行くことになった。主人公の彼女の玲央に手配を任せたところ、玲央が手配したのは別の惑星への旅行だった。行ってみると、その惑星は一見地球と同じように見えたが、根本的な違いがあることに気付いた。その惑星では完全な女性上位で男性は従属的な地位に置かれていた。その原因は、妊娠・出産するのが女性ではなく男性であることにあるようだった。
  • 私はクローン
    向坂大吾は三十二歳のIT会社社長。末期癌におかされて余命三ヶ月を宣告され、それをフェイスブック、ツイッター、公式ホームページなどで公開し、癌克服の方法について公募する。その結果、二つの新規技術に救いを求めることになった。一つは治験段階以前の強力な新薬候補物質(天然物の誘導体)で、もう一つは向坂大吾の細胞からクローン人間を作って脳の中の情報を転写するというとてつもない方法だった。新薬候補物質は濃度を上げた段階でアナフィラキシーショックを起こし向坂大吾は意識を失う。冷たいベッドの上で目を覚ますと、何となく身体に違和感を感じたが、クローンの実験が成功したことを悟った。
  • 世界維新:女性が全てを支配する日
    静岡県のサッカー少年でチームのエースだった杉村美瑠久は準決勝の前半に得点を上げるが、その直後にアタックした際に出血して中途退場する。病院での診断は美瑠久の人生に根本的な変化をもたらす。その一年後、中東での紛争で使用された「ある兵器」が予期せぬ変化を遂げ、数週間のうちに地球の人口の約半分に「外観では分からない小さな変化」をもたらす。その変化は数ヶ月の間に世界を静かに、自然に、そして不可逆的に変革するのだった。美瑠久のTS体験と、悲しく感動的な美瑠久の恋が見所。
  • 若返りの秘湯
    退職したばかりの真理夫は還暦同窓会で四十五年ぶりに再会した初恋の女性から、思いがけない提案を受ける。中学時代に、裏磐梯の山中にある若返りの秘湯の伝説について彼女と一緒に調べたことがあったが、彼女はその秘湯の場所に関する確かな手がかりを手に入れたとのことだった。真理夫は奥さんの帰省に時期を合わせて、彼女と冒険旅行に出かけることを決意する。
  • 未来が見える少女
    高校生の深沢芽依の学校からの帰り道、頭の上にドングリが落ちてきた。ドングリはあく抜きをすれば食べられると田舎の叔母に聞いたことがあったので、ドングリを沢山集めることにした。地面に落ちたドングリでは汚いので、木から落ちてくるドングリをキャッチしようと思いついた。しかし、実際にやってみたところ、いつどこに落ちてくるか分からないドングリを手でキャッチするのは至難の業だと判明した。ドングリキャッチを試行錯誤しているうちに、芽依は自分が超能力を持っているということを発見する。
  • 失われたアイデンティティー
    主人公の間宮孝太郎はエリート商社マン。東京の本社で課長をしている。七月の上旬に間宮の課に派遣された若い女性はアンバランスで場違いな感じのする美人だった。重めの前髪が目の上ギリギリで切りそろえられ、本来キュートな髪形のはずが、大人っぽ過ぎる物憂い表情によって相殺されて、人を寄せ付けないオーラが漂っていた。派遣が始まった翌日の夜、課で彼女の歓送会が催された。主人公は対面の席に座った彼女と会話を弾ませ、彼女も間宮に心を開いたかに見えた。お酒の回った間宮だったが、酔った彼女をタクシーで家まで送る役割を引き受ける。アパートの玄関のドアの前までのはずが、彼女の誘いに乗って部屋に入った。それは間宮にとって小さな過ちだったが、僅かな気のゆるみのお陰で間宮は驚天動地の世界を経験することになるのだった。
  • 猫にマタタビ
    ネコの視点とネコの感性でジェンダー、友愛、恋愛、家族愛、性的衝動を含むネコの人生の真実を描く。高校生の主人公はマタタビを食べると身体がネコになり、ネコの視点で第一人称で語る。いわゆるセックスシーンは無いが非常に官能的な小説。
  • 雷に打たれた女
    主人公の男性は超自然的な力により一瞬にして二十歳の女性に憑依する。へきれき(雷)が落ちた瞬間に転移が起きるので、まさに青天の霹靂本来の意味の通りだ。落雷と同時に男女がゴッツンコと衝突した瞬間に人格が入れ替わるという、あまりにも月並みで、クラシカルな性別転換が小説の冒頭で起きてしまう。男性は落雷で即死するので、主人公は女性として残りの人生を幸せに生きていけばよいわけだが……。この男女の転換が単なる偶然により起きたのではないことは、主人公と一緒に物語を体験しながら解き明かし、感動の最終章に向けて一気に読み進んでいただきたい。

監禁もの

監禁ものは意外に少ないですが、結構本格的な小説もあります。

  • 僕はネコである:会社の中の境界線R18続編
    本書は前述の「会社の中の境界線」の続編。主人公の青葉麻有は既に原作の中で性転換手術を受けて女性になってしまっているので、本書の主人公は女性ということになる。従ってカテゴリーとしては女性を主人公としたM度の高い官能小説になるかもしれない。「僕はネコである」は性転のへきれきシリーズではなく、分類と趣の異なる官能小説である点をご理解のうえお読みいただきたい。
  • 白馬の騎士
    東京都内の会社に勤めていた主人公は退職届を出した帰りに、ヤケ酒を飲みたくて錦糸町をぶらぶらしていたところ「税サ込み四千円ぽっきりで女の子と話ができるよ」という呼び込みに引っかかり、二十五万円の請求書を突き付けられてびっくり。身ぐるみ剥がされた挙句わずかな預金を下ろせとATMに引っ張って行かれそうになった主人公は店長の股間に膝蹴りを食わせて逃走するが、すぐに取り押さえられて「失玉の危機」に瀕する。そこに現れた「白馬の騎士」に救われるのだが、行く手には苦難の荒波が待ち受けていた。長編ホラーサスペンス小説。
  • バンコク発の夜行列車
    大学一年の翔太はバンコク旅行中に買い物をしていて二十代の美しいタイ人女性ノイナと知り合いになる。ノイナと一緒に過ごすカオサン通り、クレット島、ショッピングモールでのデートは格別だったが、思いもしない落とし穴が翔太を待ち受けていた。
  • 異性への逃避行
    大学一年生の主人公はジョッギング中に強姦殺人事件の現場を通りかかり、嫌疑をかけられて警察に連行される。あらゆる証拠が主人公が犯人であると示していることに気付き、主人公は警察から逃亡する。

女子校生になる

女子の制服または女子の服装で学校(小学校、中学校、高校、予備校、大学)に通うことを強いられる小説です。

  • 公園のオカマ
    主人公は大学一年生の秋野ゆづる。大学の親友の有田が通学路にある公園で巨大なオカマを見たことが物語の発端。夏休み前のある日の早朝、同じオカマが公園の駐車場のハイエースに乗り込むのを見た有田は、そのオカマが公園の駐車場で車中泊していると考え、一緒に見に行こうと秋野を誘う。オカマを見るために早起きをすることには気乗り薄な秋野だったが、有田に説得されて、翌朝公園に行く。有田の手違いのおかげで巨大なオカマに説教されることになった二人だった。発端は千葉県にある公園だが、物語は福島県の天栄村、白河城、会津若松市、裏磐梯から米沢という南東北を舞台に展開する。
  • 聖地巡礼
    志望の大学に合格してほっとしていた主人公は、同級生の祐奈に誘われて「君の名は」のビデオを祐奈のアパートに見に行く。一緒に見たことで二人の間に予期せぬ感情が芽生え、飛騨古川への聖地巡礼に出かける。二泊三日の短い旅行が人生に衝撃的な変化をもたらすことになるとは夢にも思わなかった。
  • 替え玉受験
    主人公は東京大学理科二類の一年生。高校三年生の芽衣の家庭教師になるが芽衣の成績は受験期に入って失速し、六校の受験が終わった時点で全て不合格。D判定の難関女子大の受験の前日になって芽衣の父親から恐るべき計画を持ち掛けられる。
  • スイッチ
    サッカー部のエースの小笠原は女子にモテモテ。調子に乗りすぎて、先生から集合がかかった時にも気づかずに女子とのおしゃべりに夢中になっていたら、先生から「お前は女子かっ!」と怒鳴られ、翌日からは女子の制服で学校に来いと言われた。小笠原はセンスの良い冗談でその場を凌ごうとするが、それが却って裏目に出る。小笠原のおしゃべりの相手は成績が学年トップの夕子だったが夕子が「私も同罪です。小笠原君を罰するなら私も罰してください」と名乗り出て、「小笠原君が女子になるなら私は男子になります」と主張したのだった。「それならそうしろ」と言われて二人は家に帰るが、先生はどうも本気なようだったと心配になる。相談を受けた二人の母親は「事は重大」と判断し、先生と面談をするため四人で学校に行く。先生、母親と夕子は小笠原が予想しなかったことを合意し、小笠原は背筋が寒くなるのだった。涙なしには読めないシリアスなラブストーリー。
  • 天空の楽園:性別という名のセレンディピティ
    主人公の水上真央は両親の離婚を機に全寮制の栗山セレンディピティ国際学校に入学し、予想もつかない出来事に次から次へと遭遇する。性別とは何か? セレンディピティが真央にもたらしたものとは? 奥鬼怒山系の大自然の中で、二つの命題について模索する高校生活が始まる。
  • 制服はジェンダーレス
    主人公の深村絢が中学三年の卒業式を終えて帰宅すると、母と姉がお祝いのケーキを用意して待っていた。姉も千葉大医学部の後期合格の発表があったばかりで、そのお祝いのケーキだった。父は出張なのか、不在だった。祝いの席で、母から父と離婚したことを知らされて主人公は愕然とする。父に落ち度がある離婚ではなく、夫婦で相談した結果の協議離婚が成立したばかりだった。絢は千葉県の私立高校への進学が決まっており、高校の授業料は父が払う約束だが、それ以外の衣食住の費用は母が働いて工面するとのことだった。母親は専業主婦だったが、法律事務所に事務員として就職し、母姉弟の三人の新しい生活がスタートする。貧しい母子家庭の事情で、母親から押し付けられた無理難題を飲んで入学式に臨んだ絢だったが、同クラスになった中学二年の頃の元カノの玲央と会って愕然とする。玲央は肩まであった髪を男子のように刈り上げ、男子の制服を着て立っていた。
  • フェイク女子高生
    高校生の修平はSNSにフェイク動画を流されてクラスから総スカンを食らう。ホームルームで潔白を訴えてその場は収まったが、悪意の偽ツイートによって親が学校に呼び出される事態に。修平は転校を余儀なくされる。
  • 性別交換シェアハウス
    大学生の佑太は子供の時から自分の性の不一致に人知れず悩んでいた。ある日、大学に行った後、自宅の最寄りの駅の改札の出口で、見知らぬ女性と正面衝突し、佑太は床の上に倒れる。その女性は佑太と同じような背格好だったが、佑太の性別に関する悩みをその場で見抜き、佑太に驚くべき提案をした。
  •  ファッション研究部のスカート男子プロジェクト
    五月の連休明けの朝、主人公の男子大学生は大学に通学する公園内の歩道で、自転車を押している二十歳前後の風貌のすぐれない男性が、高校生の制服のような紺のプリーツスカートをはいているのとすれ違う。主人公はそのことを誰かにしゃべりたくて仕方なかった。主人公が所属している「ファッション研究会」でスカート男子と遭遇したことを話すと、それを聞いた部長がある面白いアイデアを提唱した。
  • イケメンなでしこ
    大学一年の榊原学は習志野大学サッカー部のレギュラーだが理想の女性が澤穂希で、自分は岩渕真奈のヘアスタイルをマネしている。丹沢という超イケメンの新入部員が入部し、榊原が指導員に指名されるが、丹沢の加入により榊原のレギュラーポジションが危うくなる。親友どうしの関係に、予想しなかった要因が加わり、更に壮絶な三角関係によって波乱が波乱を呼ぶ展開に……
  • 逆転父母
    耐震性データ偽造事件の責任を取って辞職した枕崎薫は、社会的批判や損害賠償が家族に及ぶことを回避するため、離婚して全資産を妻に譲渡した。無職・無一文となった枕崎薫は、妻の家に居候させてもらう身となる。その日を境に、枕崎薫と葉山有希子(元妻)の関係は百八十度変わるのだった。父と息子ダブルのリアルなTS長編小説。

その他色々

芸能もの、作家ものから純文学に至るまで「その他色々」には特色のある力作が数多くあります。

  • 絵画モデル
    画家が描くオブジェであり同時に究極的な自己表現が求められる美術モデルの仕事について「性転のへきれき」風に掘り下げた新しい感覚のエンターテインメント作品。東京のアパートでひとり暮らしをしている大学一年生の凛太郎は、夏休みに割の良いバイトの募集を見て応募する。それは美術モデルの仕事だった。美術モデルの仕事は楽そうに見えたが、やってみると大変だった。内面から浸み出たオーラという衣装を身にまとったモデルたち……。アマゾンでBLカテゴリー・ベストセラー第一位となった人気作品。
  • お気に召すまま:異性の異性は同性?
    大学一年の夏樹は憧れの由梨から学食に呼び出され「頼みがあるから家に来て欲しい」と言われる。喜び勇んで由梨の家に行くと、クリスマスから新年までのバイトの代役を引き受けて欲しいと頼まれる。
  • 踊り子(京都・徳島編)
    大学四年の鈴太郎は高校で同級生だった時代の憧れの女性と再会し一緒に阿波踊りで一緒に踊ろうと誘わ、生涯忘れられない経験をする。
  • 女弁護士に嫁いだ男
    翼は小柄な美少年系で性的にはノーマルな男性。相手役は弁護士志望の可南子。可南子は翼が大学一年の時、法学部の三年生だった。大学祭で「これだ」と翼に目をつけてナンパし、二人の付き合いが始まる。二人は健全な付き合いを続け、可南子が司法浪人となる一方、翼は大手総合商社に総合職として入社する。可南子が司法試験に合格した時、翼は予想もしていなかった要求を突きつけられた。
  • 女流作家田吾作
    森村田吾作は子供の時から自分の名前が嫌いだった。大学では演劇部に所属して台本を書く傍ら、趣味で小説を書いていた。面白い小説が書けたので文芸賞に応募したが、その際に沙織という主人公の名前をペンネームにして応募した。入賞を知らされた際にそれが女流文学賞であることを知る。出版社から性別詐称で訴えると言われ、やむなく田吾作は女装をして授賞式に出席することになった。次から次へと田吾作に降りかかる災難。最終章まで息をつかせない長編小説。
  • 仮面小説家
    サラリーマン作家の丹下はコミック作家とのコラボのためにコンベンションに参加し、秋葉出版から「失われたアイデンティティー」の出版とTVドラマ化の提案を入手する。トントン拍子に進み、順風満帆に見えたが落とし穴が待っていた。
  • スタア
    芸能界を舞台としたドラマ。主役は西口アリスというシンガーソングライター。ファッションモデル出身で女優としても活躍している。九頭身の長身でファン層の八割が若い女性だった。主人公は西口アリスの大ファンの大学二年の男性。いわき市で開催された野外コンサートに姉と一緒に参加するが、姉がそのコンサート会場でアーティストが着替えの後に出てくる裏口に関する情報を友人から入手したと聞き、姉と二人でその裏口で西口アリスを待ち伏せする。折り悪く、アリスに危害を加えようとする女子高生グループがいるとの情報を得ていた開催者がボディーガードを裏口周辺に配備していたので、主人公と姉はボディーガードにつかまってしまう。そこにアリスが姿を現し、不審者として捕まった二人と顔を合わせる。そんな状況での出会いによって、燃えるような恋の火ぶたが切って落とされるのだった。
  • エキストラ
    主人公の水沢詩音は男子学生。若手女優の早瀬美玖の大ファンで寝ても覚めても早瀬美玖の事ばかり考えている。詩音の彼女である長尾幸子は杉内数馬のファンで、お互い、早瀬美玖と杉内数馬に憧れることは許容するという合意が出来上がっている。早瀬美玖と杉内数馬が共演する「黄色い蕾」という新作映画を撮影中だが、高校生役のエキストラが足りなくなって緊急募集がかかる。詩音と幸子はエキストラに応募して採用される。詩音と幸子がロケの現場に行くとエキストラが八、九十名も集まっていた。その中から、十数名が選出され、早瀬美玖に近づける端役を与えられることになり、詩音と幸子も選ばれるが、撮影が開始するとNGが出て詩音と幸子は役から外される。撮影の後で、詩音と幸子は監督から呼び出され、驚くべき話を持ちかけられる。
  • よじれた戸籍
    卒業試験が終わった翌日、就職内定先の会社から内定取り消し通知が届いた。驚いて人事部に問い合わせた結果、戸籍が女性であることが内定取消の理由であると言われる。恋人の美沙と戸籍謄本を取りに行くと、自分の戸籍が女性に変更されていて、しかも叔父の妻になっていることが判明した。一週間だけ叔父の妻として暮らすことを強いられた私に宛てられた亡父からの手紙に書かれていた驚愕の事実とは?
  • 飛び降りたニューハーフ
    小学校六年の時に仲良しになった主人公「僕」と彼女「大地」が、中学、高校、大学、社会人となるまで、二人の半生を追う小説。性転のへきれきシリーズの作品では初めて、友人の飛び降り自殺という悲劇的なオープニングになっている。中学一年で男女三組の仲良し六人組が成立するのだが、そのうちの一人がニューハーフになっていて、勤務中に階段から飛び降りて重体になるというショッキングな出来事が起こり、残りの仲間がバーに集合するシーンから物語が始まる。小学校六年での主人公と彼女との出会い、中学一年で六人組が成立した経緯、高校二年の京都旅行が回想形式で語られていくが、そこには性転のへきれきらしいエピソードが満載されている。
  • 性を失った少年
    小六の時に不幸な事故によって男性のシンボルを失った俊樹は、それを隠して通学するが、立って用が足せなくなった身体で隠し通すことは不可能だった。その秘密は男子の間にあっという間に知れ渡り、俊樹は深い疎外感を味わう。そんな俊樹にとっての救いは義理の姉になった洋子だった。俊樹と同級生たちの心の変化や、俊樹が中学、女子高、女子大に進み運命の人と結婚するまでの心と身体の変化がリアルに描かれる、性転のへきれきらしい淡くてシリアスなエンターテインメント作品。
  • ハンサムすぎる友人
    主役は深見彩夏というBLコミックから抜け出たような美少年。深見彩夏の幼稚園以来の親友の如月勇斗はBLコミックから抜け出たような超イケメン・モテ男でこの小説の題名にもなっている。同じ大学に進学した深見彩夏と如月勇斗は半休眠状態で部員が腐女子三名だけという英会話クラブに入部して、美女ばかりを部員として募集し、自分たちのための私設キャバクラ状況を作り出そうと企てる。苦労のかいがあって乃木坂46レベルの美少女四人と、スタイル抜群の女子バスケ部員四名を部員として獲得し、私設キャバクラ構想は大成功したかに見えた。しかし、如月はとにかく、深見彩夏が私設キャバ嬢にちやほやされる状況にはならなかった。ミイラになったミイラ取りの運命とは?
  • HLAの絆
    夫婦と息子二人のごく普通のサラリーマン家庭。子供が中一と小三の時にアメリカ駐在から帰国した家族は幸せな生活を送っていた。次男が中二の時に一緒に風呂に入っていた父親は次男から体の変調を指摘される。翌日クリニックに行って診察を受けた結果、精密検査のために大病院へ。父親は即入院、手術となった。命はとりとめたものの重大なハンディを抱えて苦しむ父親を家族が支える。それにも関わらず自殺未遂……。家族が一緒に困難を乗り越える姿を描いた愛のドラマ。
  • 痴漢冤罪
    東西線の満員電車の中で「この人、痴漢です」と言われた主人公の苦悩と約四十日間の苦闘を描いた長編小説。もし自分が痴漢事件に巻き込まれたら? 日本で痴漢事件がどのように扱われるか、警察・検察での取り扱いや、弁護士の起用について正しい知識を持たずに満員電車に乗る男性は、武器を持たずに戦場に行く兵士と同じかもしれない。本書を繰り返し読んで、主人公と一緒に痴漢冤罪事件を体験することをお勧めしたい。
  • ジュリエットになったロミオ:元祖対本家
    深川の老舗「本家飯野屋」の長男として生まれた主人公は「七代目」と呼ばれて育った。同じ深川の「元祖飯野屋」は一代で本家を凌ぐ規模にのし上がったライバル企業だ。元祖飯野屋の後継者は主人公より二歳上だ。本家飯野屋と元祖飯野屋の社長は犬猿の仲で、両家の従業員もお互いを敵視している。主人公の姉の百合絵は仇敵元祖飯野屋の長男と密かに逢瀬を重ねていた。元祖飯野屋の隆盛を尻目に、本家飯野屋の業績は低下し、主力銀行から元祖飯野屋との経営統合を融資継続の条件として突き付けられる。実質的な吸収合併となり、後継者が元祖飯野屋の長男になるのは確実だ。主人公の居場所はなくなるだろうが、姉の幸せを祈って身を引く覚悟をするのだった。
  • 虐げられたモンスター
    主人公の大学生はポケモンGOを毎日夢中でプレイして配信開始四十日後にはレベル三十に到達するが、四六時中ポケモンGOのことばかりを考えている自分が虚しくなってきた。虚栄心、人より少しでも上に立ちたいという欲望に執着する自分に嫌気がさしてきたのだった。そんな時に「ポケモンGOをプレイするだけでバイト代がもらえる」という募集広告が目に入って応募する。何百人もの応募者から一次審査を通った約四十名を対象とした説明会に行った結果、主人公を含む十名が採用されることになる。それはポケモンGO代行業務を行う会社だと分かった。翌朝、主人公はポケモンGO代行会社から顧客のIDとパスワードを受け取ってポケモンGOのプレイを開始する。甘い話に乗ったバイトを始めたところ、知らず知らずのうちにとんでもない羽目になり、あがいているうちに益々深みに入っていく大学生……。ポケモンGOをプレイしたことのない方にも楽しめる小説。

クラシックTS小説旧五作品

桜沢ゆうが1998年から2003年に出版した小説です。

  • 突然の性転換 (ひろみの場合)
    性転のへきれき「ひろみの場合」は1997年に出版された。第一部では痔の手術を受ける予定の男子大学生が、性転換手術の患者と取り違えられて性転換される。同じ病院で性転換手術を受ける予定だった患者が手術の直前に怖くなって病院を逃げ出したために起きてしまった「取り違え性転換」だった。第二部の主人公は性転換手術の前に逃げ出した張本人だ。何故逃げ出すことになったのか、取り違え事故がどのように起きたのか、じっくり読んでいただきたい。
  • ラブストーリー (かおりの場合)
    プログラマーの私の転職先は女性だけのソフトウェア会社だった。私は少しずつ、でも着実に女性化の道を歩んで行く運命にあった。上司の律子との恋のテーマが感動的。
  • 夫婦スイッチ (由香の場合)
    由香は背が高く格好いい女性で、男性にもてるだけでなく女性のファンも大勢いた。そんな由香が僕にプロポーズしてくれた。でも、結婚生活はそう甘くはなかった。
  • 香港の娼婦(洋子の場合)
    東京に住む大学生の僕は香港旅行中にマフィアのワナにはまり売春クラブで働かされることになってしまう。香港、日本、中近東、中央アジアを舞台とする激動の2年余りを描いた小説。主人公が一体どうなるのか最後までハラハラさせられるが、性を超越した「幸福さがし」の旅はついに究極の答えに到達する。
  • あなただけが好きだった(えりの場合)
    エリート証券マンの渋沢には小説家という副業があった。ある日読者から受け取ったメールをきっかけに、渋沢は出世コースを外れて、とんでもない人生を歩み始める。大波乱の末に見つけた本当の幸せとは……

日英TS文庫

桜沢ゆうはYulia Yu. Sakurazawaとして約八十作品の英語小説を出版していますが、そのうち十四作品については日本語版があります。

    • 第三の性への誘惑
      (英語版:Enchanted into the 3rd Gender)
      第三の性とは何かご存知ですか? 男性・女性と並ぶ、もう一つの性です。社会の習慣として第三の性が認知されている国が存在します。その代表がインドです。インドにはヒジュラという第三の性が存在し、その人口は数十万人から百数十万人と言われています。「第三の性への誘惑」は若い日本人ビジネスマンがインド出張中に、ふとしたことからヒジュラの世界に足を踏み込んでしまうという物語です。ヒジュラの社会は、合理的で強固なヒエラルキーに基づいており様々なルールや儀式によって成り立っています。そのような社会の構造や儀式(とりわけ無麻酔のトランス状態で男性を捨てる儀式)に当事者として踏み込む意欲的な試みの小説で、取材・調査に長時間を費やした作品です。
    • 性転の秘湯
      (英語版:Slippery Slope in a Hotspring)
      長野県の佐久にある温泉を舞台とした物語です。その温泉には美肌と若返りの効果があると言われていますが、さらにその奥にある動物しか知らない秘湯に入ると、どんな老人も二十歳の若者に変身するのです。但し、若返りには副作用があります。性別が変わるのです。「性転換する温泉」というテーマには多くの作家が挑んできました。愛とは何か? 恋とは何か? 性とは何か? 人生とは何か? 夫婦とは何か? 主人公の人生を通じて普遍的な愛・恋・性について問い続ける小説です。予想もできないフィナーレにもご期待ください。
    • 忘れな草: お屋敷の身代わり令嬢
      (英語版:Abigail Resurrected)
      舞台はロンドンの下町。小学校六年で両親を交通事故で失い、親戚をたらい回しにされたあげくホームレス同然の状況で中学を卒業した少年ノアが主人公です。ノアは十六歳の時に「忘れな草」というセレモニー専門の参列者派遣会社に就職し、従業員寮でベッドと温かい食事が毎日得られる環境を手に入れます。部屋は先輩従業員との同室ですが、家族のような愛に満ちた毎日を過ごします。就職して二年目のある日、ロンドン近郊のサリー・カウンティーにある古城のような邸宅で行われる十八歳の少女アビゲイルの葬儀に参列することになります。魂の奥底まで揺さぶられた葬儀の後で、ノアは予期しなかった事態に遭遇することになるのでした。
    • 過去からの呪文
      (英語版:Voices from the Past)
      ピーターが選んだ新婚旅行の行き先は幼少時に両親の仕事で済んだことがあるインドのコルカタでした。カーリー寺院で瞑想をしていると地底から湧き出るような声が聞こえガンジス河畔に向かうよう誘導されます。その声はピーターに驚くべき命令を下し、ピーターの人生は思いもよらない形で翻弄されるのでした。
    • 禁断の閉鎖病棟
      (英語版:Forbidden Asylum)
      主人公レイの車が辺鄙な道で故障し、レイは車を側道に停めてスマホで助けを呼ぼうとしますが生憎バッテリーが切れており、やむなく徒歩で電話を借りに行きます。辿り着いたのは古い病院のような建物で、入ると何か雰囲気が変でした。そこはヴィンセント病院という名前の病院で、マネージャーが出て来て電話機のある部屋に案内されたのは良いのですが、マネージャーはレイのことをレイチェル(レイチェル=女性)と呼びます。その後に現れた看護師長もレイをレイチェルと呼ぶのです。マネージャーはレイを自分が男性であるという妄想に憑りつかれた女性として扱います。レイチェルはその病院の入院患者で、先日彷徨して行方不明になっていたのがやっと戻って来たものとして扱われ、病院から出してもらえなくなるのでした。
    • 呪いのバービー人形
      (英語版:Forbidden Memories)
      主人公は若くしてジャーナリストとして成功したイギリス人男性のディーン・ベイカーですが、、舞台はイタリアです。突然誘拐されて北イタリアの荒地にある建物に幽閉され、恐ろしい目に遭わされます。目に見えない犯人が送りつけて来る謎のメッセージを解読しようと頭を巡らせますが、なかなかその意図は読めず、最終段階に近づいた時に全てがつながるのでした。
    • 禁断のインスピレーション:小説モデル
      (英語版:Feminized by Inspiration)
      主人公はテオと言う名前の卒業間近のイギリス人男子高校生ですが、ストーリーは三十四歳のイタリア人女流作家アリシアの自伝として語られます。アリシアは由緒ある文学賞の受賞者として有名になった作家ですが、十七年前にレイプされ恋人のリアを失った過去を背負っています。アリシアは受賞記念パーティーでテオと出会い、リアと似たテオに心をときめかせるのでした。主な舞台はローマ時代からテルメ(温泉)で栄えた保養地、シルミオーネという湖畔の街です。
    • 禁断の鏡
      (英語版:Forbidden Mirror)
      主人公はイギリスのウィンダーミア地方に大富豪の長男として生まれたアーロン・グリーグです。アーロンは十二歳の時に母親を落馬事故で失いますが、その一年後に父親が若い美女シャキーラを後妻に迎えます。アーロンは新しい母親を受け入れて親しい親子になります。敷地内には父親が立ち入りを禁じている古い石造りの倉庫があり、ある日アーロンとシャキーラは倉庫を探検します。倉庫の中はまるで中世にタイムスリップしたような場所で、二人は美しい鏡を見つけます。鏡は人間の言葉に反応するようでした。シャキーラが鏡に「この世で一番美しい人は誰?」と問いかけると、鏡はシャキーラが最も美しい人だと答えます。その夜、アーロンが一人で石造りの倉庫に忍び込み、この世で最も美しい人について、より突っ込んだ質問をすると、思いもよらない答えが鏡から返ってきます。
    • 父は僕のヒーローだった
      (英語版:My Dad Was My Hero)
      主人公のヴィットーリオ・ロッシは三十六歳、妻ダニエラ、娘アンジェリーナとナポリで幸せな家庭を築いています。ヴィットーリオは十三歳の時にトラックに跳ねられそうになったところを父に助けられますが、その事故で父は死亡し、父を自分の永遠のヒーローと意識して育ちます。自分も父のようなヒーローになりたいと思っていましたが、娘のアンジェリーナが十六歳になった時にチャンスが訪れます。妻の運転する車が自転車に乗っていた女性を跳ね、その女性が死亡します。マフィアが目撃者を捏造して、ヴィットーリオとその妻は巨額の賠償金を請求されます。マフィアは賠償金代わりにアンジェリーナを連れ去ろうとします。その時、ヴィットーリオは自分の身を投げ出してアンジェリーナを助けようとするのでした。
    • 行方不明
      (英語版:Missing in Nepal)
      コロラド生まれの米国人ルーベン・ヤングは東京の大学に留学中に一人でインド旅行に出かけます。それはデリー二週間というツアーでしたが、ルーベンは二日でデリーの雑踏に嫌気がさしてバスでのカトマンズへの旅行を企てます。生まれ育ったコロラドと共通点のある天空の王国ネパールに憧れを感じたからでした。三十時間かけてカトマンズに到着しましたが、ルーベンは周囲が自分を見る眼が何となくおかしいことが気になります。翌日、ホテルで運転手付きの車を手配してもらい、ガイド付きの市内観光に出かけた時、ルーベンの心配が的中することになるのでした。
    • 舞台女優の秘密
      (英語版:As You Like It)
      主人公のマックスはシェイクスピア劇の劇団員。お気に召すままの上演で初めて助演男優の役を得ます。主演女優が交通事故に遭い、マックスに代役が回ってきました。

以下の小説は女性主人公の第一人称で語られる、レズビアンMTF三部作です。

  • 恋のセレンディピティ
    (英語版:Serendipitous Love)
    女弁護士シルヴィアが「女性による女性のための探偵事務所」の看板弁護士として数奇で心躍る「事件」を経験する。シルヴィアは十四歳の初恋体験がトラウマとなっており、女弁護士やアシスタントの女性と肉体関係を持っている。
  • あの頃の私はおてんばだった
    (英語版:Once I Was a Tomboy)
    北インドの貧しい農家の娘として生まれ男権社会の辛酸を嘗め尽くしたアーバは二人目のレズの恋人の中に本当の愛を見出す。
  • 最後の障壁
    (英語版:The Final Barrier)
    レズビアンMTF三部作の最後の作品。主人公の女性の女子高時代の親友トリシュナ(生物学的男性)が重要な役割を果たす。

ハウツー本

小説の書き方に関する書籍です。

  • 原作開発プロジェクトコンテスト受賞作家が明かす 売れる小説の書き方
    本書は、「小説を書く方法」に焦点を絞った解説書。どのように書き始めれば良いのか、書いたものをどう積み重ねて長編小説を作ればよいのか、売るための小説を書くにはどんな点に気を付ければ良いのか、等々の問題について、桜沢ゆう自身の体験に基づいて、桜沢ゆうがどのように書き、積み上げているかが解説されている。また、面白い小説を書くための手法や、書いた小説をアマゾンで電子出版する際に、登録フォームの空欄に何を書くと「売れやすい」のかについて、性転のへきれきシリーズの作品の場合の記入例を示して書かれている。

これは性転のへきれきTS文庫、日英TS文庫、その他の桜沢ゆうの出版物を紹介するHPと桜沢ゆうのブログを兼ねたサイトです。桜沢ゆうは千葉県在住の作家で、1997年に処女作「性転のへきれき(ひろみの場合)」を出版して以来創作活動を続けており、数多くのロマンス小説、ファンタジー小説、サスペンス小説、ソフトSF小説などを出版しています。作品の多くは性同一性障害、性転換のテーマを扱っています。小説の分類としてはTS小説が多く、その他は純文学となります。

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