性転のへきれきTS文庫にの「イケメンなでしこ」に「今日から女子部員になりなさい」というサブタイトルを付け、小説の内容が分かる表紙画像に変更して改訂再出版しました。
「イケメンなでしこ:今日から女子部員になりなさい」は題名から連想される通り、サッカーがらみの物語で、主人公の男子学生と相手役の女子学生はサッカーに明け暮れる大学1年生です。サッカー好きな方も、そうでない方も楽しんでいただける小説になったと思います。
主人公は習志野大学の榊原 学で、1年生なのにサッカー部の左MFのレギュラー選手です。小柄で華奢ですがセンス抜群でボールが身体に吸い付くタイプの選手です。榊原にとっては、なでしこジャパンの澤穂希がスーパーヒーローですが、自分は岩渕真奈のようなタイプのサッカー選手だと自負しており、髪型も岩渕真奈を真似ています。サッカー部の監督からは「習志野大学サッカー部の中島翔也」とお世辞まじりに呼ばれていました。
ところが、11月になって思わぬライバルが出現しました。絵に描いたようなイケメンの新入部員を連れて来たのです。イケメンの名前は丹沢瑠衣。バスケットボールの選手としてインターハイ出場経験があり、プロからもスカウトされたが断ったとのことですが、サッカー経験は無いとのことでした。
榊原は丹沢瑠衣の指導員に指名され、マンツーマンでの練習を開始します。サッカー部に入るのは初めてだという丹沢でしたが、榊原は丹沢に素晴らしい才能があることを見抜き、二人は無二の親友になります。
左MFのレギュラーポジションを親友の丹沢に奪われるのではないかという恐れも……。さらに、もうひとつ予想外で重大な要因が加わり、丹沢の元カノが絡んだ壮絶な三角関係によって波乱が波乱を呼ぶ展開に!
「イケメンなでしこ:今日から女子部員になりなさい」は約12万文字の長編TSエンターテインメント小説です。
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「性転のへきれきは表紙画像を変えて再出版しまくっている」という印象をお持ちの方が多いと思いますのでその理由を説明します。私は電子出版の勘所が分かったつもりになって「原作開発プロジェクトコンテスト受賞作家が明かす売れる小説の書き方」というハウツー本まで出しており、その中で見栄えの良い表紙画像を簡単に作る裏ワザも書いているのですが、自分の常識が間違っていたことに最近気づきました。
それは「今日からOLになりなさい:私はこれで会社を辞めました」の改訂再出版で分かったことです。その小説は元々「ポケモンGO:私はこれで会社を辞めました」という題名で、ピカチューの人形を抱いた女子大生の写真を表紙画像にしていました。出版当初は(他の小説と同じ程度に)売れましたが、その後は低迷して月に二、三冊しか売れない状況になっていました。面白い小説だから多くの人に読んで欲しいという気持ちで、「執務時間中にポケモンGOをしたことがバレて左遷され、会社を辞める羽目になった」という点を強調するか、それとも「退職届を叩きつけたつもりが、主人公が書いたポケモンGO小説のせいで会社を窮地に陥れそうになって『今日からOLになりなさい』と言われた」という点を強調すべきかで迷いました。賢明だったことに、私は後者を選択し、主人公がOLにされるビフォー・アフターのイラストを表紙にして2月末に改訂再出版したところ、突然売れ始めました。
「今日からOLになりなさい:私はこれで会社を辞めました」の3月1日から30日までの販売数が2百冊以上に跳ね上がったのです。(KUL=Kindle Unlimitedのサブスクで読む人が多く、冊数はKUL部分の印税による計算推定値です。)
息絶え絶えだった作品が不死鳥のごとく蘇ったのを見て、個々の小説で何が一番面白いポイントなのかがわかるような表紙画像と題名にするのが大事であるという新発見(実は誰でも知っていること)を得て私は学習し、改善を忠実に実行しつつあるというわけです。
さて、この「イケメンなでしこ:今日から女子部員になりなさい」の表面的な面白さは表紙画像とタイトルで分かる通りなのですが、著者が主張したい本当の面白さは主人公とイケメン部員の精神的肉体的な関係の微妙でシュールな推移にあります。その辺を味わって読んでいただけると幸いです。
これは性転のへきれきTS文庫、日英TS文庫、その他の桜沢ゆうの出版物を紹介するHPと桜沢ゆうのブログを兼ねたサイトです。桜沢ゆうは千葉県在住の作家で、1997年に処女作「性転のへきれき(ひろみの場合)」を出版して以来創作活動を続けており、数多くのロマンス小説、ファンタジー小説、サスペンス小説、ソフトSF小説などを出版しています。作品の多くは性同一性障害、性転換のテーマを扱っています。小説の分類としてはTS小説が多く、その他は純文学となります。