性転のへきれきTS文庫の新作「フェイク女子高生」が出版されました。学園ものライトノベルで、全年齢のTS小説ファンにお勧めします。
主人公は高校二年生の中条修平です。私立高校に入学して平穏な高校生活を送っていましたが、夏休み明けの火曜日に男子の友人二人からその週末の日曜日にディズニーランドに行こうと誘われてOKします。
ところが、日曜日は同じクラスの女子の誕生会に行く約束をしていたのでダブルブッキングになりました。修平は水曜日にそのことに気づいて、「ディズニーランドには行けなくなった」と男子の友人に断ります。友人は予想していた以上に腹を立てた様子になりましたが、修平は何とか断ることができたとほっとします。
しかし、それがきっかけでSNSにフェイク動画を流された模様で、修平はクラスから総スカンを食ってしまいます。金曜日のホームルームで潔白を訴え、その場は収まったかに見えたのですが、月曜日に登校すると最悪の状態になっていました。
フェイク動画や悪意の偽ツイートなど、いつどこで起きてもおかしくないちょっとしたSNSの悪用で修平は窮地に追いやられます。
「フェイク女子高生」は修平の苦悩と、立ち直るための家族の協力、心の動きと、友人の女性たちとの葛藤を描く、シリアスなTSコメディーです。(シリアスとコメディーが両立することは小説をお読みいただければ分かると思います。)
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フェイク動画と言えばTVドラマの「3年A組 今から皆さんは、人質です」が真っ先に頭に浮かびます。2019年1月6日から3月10日の放映であり、「フェイク女子高生」の出版が6月22日ですので、全く影響されていないと言えば嘘になるでしょう。「フェイク女子高生」にはフェイク画像を作成するプロ(フリーランサー)も登場します。
最近は画像処理のソフトウェアやオンライン・サービスが高度化しており、数年前なら非常に困難だった画像処理(特に切り出しとレミックス)が素人にも簡単にできるようになりました。私も小説を一冊書くたびに表紙画像を一枚作成しなければなりません。日本語85冊、英語93冊の小説を出版済みなので、表紙の改訂を含めると軽く200以上の表紙画像を作ってきました。当初は不慣れで、PD(パブリックドメイン)の写真をあちこちで探してきては縦長に切り出して1600 x 2560pxの画像を用意し、それに文字入れをして表紙画像にしていました。
「桜沢ゆうの小説はどこかで見たような女性が表紙になっている」とどこかで書かれているのを見て、パブリックドメインの画像だけに頼っていてはダメだと思い、CC BY 2.0 (Creative Commons Attribution 2.0 Generic License)の画像を使い始めました。これは、著作権者が「誰でも使っていいよ、但し私の著作品であることは必ず表示してね」との条件で使用を許可した画像です。このライセンス形式だと原画像を改変(他の画像と組み合わせたり、変形させたり、その上に書き足すなど)して商用に使うことが無償で許諾されます。その条項に基づき、私の小説でCC BY 2.0の画像を表紙に使ったものには「表紙画像の確認と感謝」という1ページが「あとがき」と「Copyright」の間に必ず挿入されています。
「表紙を見て小説を選ぶ」の画像集に目を通していただけばわかるのですが、異性への逃避行、仮面小説家、お気に召すまま、失われたアイデンティティーなどの表紙には、私が好きなイラストレーターのCC BY画像が使われています。また、性転の秘湯の露天風呂に浸かっているサルもCC BY画像ですが一緒に入浴している女性はPD画像から切り出して合成したものです。
以前は画像やイラストから人物を切り出すのは簡単でなく、オンラインの切り出しサービスはありましたが、パッと見て切り出しだとわかる場合が殆どでした。ところが最近はオンラインの背景画像切り出しサイトで非常にリアルな加工ができるようになり、それ以上にAdobe Photoshopの自動切り出しが高機能になって、以前なら何時間もかかっていた作業が数分でできるようになりました。私は主にAdobe Photoshopで切り出しを行い、Adobe Illusratorでデザインと文字入れを実施します。それから、Windows10に標準搭載されているペイント3Dを使うとPNG画像の加工が簡単に行えるので重宝しています。
今年に入ってからは、PDやCreative Commonsのイラストの切り出し、改変、合成を多用し、イラスト画像に写真も混在させることによって、小説の内容を表すような表紙を作っては、表紙の改訂を立て続けに実施しました。その結果、古い小説が急にダウンロードが増えたりして、表示の大切さを痛感しています。電子書籍作家は、小説を書くだけでなく、編集、校閲、表紙画像作成、それにマーケティングまで全部自分でやらなければならないのが大変というか、それが面白みになっています。
これは性転のへきれきTS文庫、日英TS文庫、その他の桜沢ゆうの出版物を紹介するHPと桜沢ゆうのブログを兼ねたサイトです。桜沢ゆうは千葉県在住の作家で、1997年に処女作「性転のへきれき(ひろみの場合)」を出版して以来創作活動を続けており、数多くのロマンス小説、ファンタジー小説、サスペンス小説、ソフトSF小説などを出版しています。作品の多くは性同一性障害、性転換のテーマを扱っています。小説の分類としてはTS小説が多く、その他は純文学となります。
購入して読ませていただきました。
冒頭で主人公が一人っ子と明記されているのに、いきなり姉が登場するなど、設定の破綻が見られて非常に残念でした…。
展開も少々強引な気がいたしました。
次回作に期待しております…
ご愛読感謝いたします。コメントいただきありがとうございました。一人っ子の点は早速訂正しアップロードしておきました。Amazonは24時間以内、楽天Koboは2~3日以内に訂正される見込みです。
なお、「展開も少々強引」とは特にどんな点を気がかりに感じられましたでしょうか? 次作を書くために非常に参考になりますのでアドバイス頂けましたら幸いです。よろしくお願いいたします。