性転のへきれきTS文庫の新作「替え玉受験」が出版されました。舞台は経堂、浅草、お台場、新宿方面と五島列島です。
この季節に著者が桜沢ゆう、題名が「替え玉受験」と聞けば、性転のへきれきシリーズの読者ならストーリーは想像がつくのではないでしょうか?
本書はその想像を裏切らない純然たる長編TS小説です。
主人公の堤龍之介は東京大学理科二類の一年生で、五月に高校三年生の米田芽衣の家庭教師を引き受けました。
頭の回転が良さそうな子だったので、自分がちょっと教えればすぐに成績は上がるだろうと思ったのですが、芽衣は成績の向上を阻む要素を持った子であることがだんだんわかってきました。
受験シーズンに入っても、芽衣の成績は低空飛行を続けるどころか、墜落寸前になります。A判定を三校、B判定を三校、C判定を一校、D判定を一校として「夢も追うが、最悪でもどこかには引っ掛かる」という方針で八つの大学に的を絞って願書を出し、受験に臨みます。
しかし、六校の受験が終わった時点で全て不合格。残すはD判定の聖メアリー女子大学と、A判定の雪見女学院の二校を残すのみとなりました。
聖メアリー女子大学の受験の前日になって堤は芽衣の父親から呼び出しを受け、恐るべき計画を持ち掛けられるのでした。
ストーリーが分かっていても引き込まれるのが桜沢ゆうの小説です。
【ロケ地】舞台は経堂、浅草、お台場、新宿からの沿線と東京都内ですが、五島列島への旅行に重要な章(Chapter)を割り当てています。五島列島は私がこれまでに行った最も美しい旅行先のひとつであり、「替え玉受験」には五島列島の澄み切った空気と透明な海への想いが込められています。特に堂崎教会のルルドの泉の上方に立つ聖母マリア像の記憶は今でも鮮明です。
これは性転のへきれきTS文庫、日英TS文庫、その他の桜沢ゆうの出版物を紹介するHPと桜沢ゆうのブログを兼ねたサイトです。桜沢ゆうは千葉県在住の作家で、1997年に処女作「性転のへきれき(ひろみの場合)」を出版して以来創作活動を続けており、数多くのロマンス小説、ファンタジー小説、サスペンス小説、ソフトSF小説などを出版しています。作品の多くは性同一性障害、性転換のテーマを扱っています。小説の分類としてはTS小説が多く、その他は純文学となります。