桜沢ゆう性転のへきれきシリーズの新作小説「草食男子」が出版されました。今回の主人公は某商社の電子材料部で働く二年目社員の寺川瑠衣です。
電通社員の自殺事件が大きく取り上げられてから早や半年が過ぎましたが、瑠衣が働く会社で「WLB委員会」が立ち上がりました。WLBとはWork Life Balanceの頭文字で仕事と生活のバランスを改善するための委員会です。
WLB委員会立ち上げの二週間後に発表された具体策は社員全員が目を見張るほど斬新な内容でした。
WLB委員会が提案した『草食男子育成計画』とは?
これは、男女の生き方について再考を促す、桜沢ゆうらしいタッチのラノベ・エンターテインメント小説です。
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奢れるもの久しからずという言葉があります。主人公の寺川瑠衣は草食男子計画のおかげで突然モテ期が到来し、生まれて初めて女性たちからモテまくる状況を経験することになります。
女性もそうですが、モテることに慣れている人は、異性の扱いが上手です。異性が近づいて来たら、さらっと避けたり、時にはバシッと拒否したり、危険性のない時には適当に気が無くもないふりをして自分のモテ状態をキープする術を知っています。
何10人に言い寄られても結局は一人だけに絞る必要があるので、モテる人ほど冷静な対応を身につけているのです。
寺川瑠衣はモテることに慣れていないので、アプローチを受けまくるとつい気が大きくなり、優柔不断かつ素直な性格が災いして、相手を受け入れるそぶりを見せてしまいました。相手が節度のある女性ならさほど話がこじれることも無いのですが、この小説に登場するような超高学歴で体力的にも敵わない三人の女性を相手にすると、事態は深刻さを増してしまいます。
この小説を書いている間、寺川瑠衣としての人生を体験し、やはり人間はどんな状況に置かれても、謙虚な気持ちを忘れてはならないと痛感しました。
これは性転のへきれきTS文庫、日英TS文庫、その他の桜沢ゆうの出版物を紹介するHPと桜沢ゆうのブログを兼ねたサイトです。桜沢ゆうは千葉県在住の作家で、1997年に処女作「性転のへきれき(ひろみの場合)」を出版して以来創作活動を続けており、数多くのロマンス小説、ファンタジー小説、サスペンス小説、ソフトSF小説などを出版しています。作品の多くは性同一性障害、性転換のテーマを扱っています。小説の分類としてはTS小説が多く、その他は純文学となります。