ワァーン(うれし泣き)!
桜沢ゆうの小説「採用面接」が2017原作開発プロジェクト・コンテストの受賞作品に追加されました!「ウソだあ」と思った方はこちら でご確認ください。
原作開発プロジェクトは、Amazonとよしもとのタッグで様々なメディアを活用し、枯渇している原作を開発し、才能を育成していける新たな仕組みを生み出すプロジェクトです(とのことです。)既に「桜七」と「エスカレーターボーイ」が大賞を受賞していますが、夏目杏子さんの「九月の幻」と桜沢ゆうの「採用面接」が入賞作品として追加されました。「大賞受賞作品は、よしもとのサポートで再出版・映像化、Amazonでの販売・映像配信と言った作品に応じたアウトプットの機会を手にし、よしもとの制作・PR・マネジメント力により、原作と才能を最大限引き出し、世に輩出していきます」と発表されていますが、「優秀作品」として追加された「採用面接」がどのように扱われるのかは不明です。
先に大賞の発表があった時、私はガックリと気落ちしました。LGBTというテーマが大衆化しつつあるご時世、私の小説は大賞は無理でも末席を汚す程度に「佳作」とかを受賞できるのではないかと、かなり本気で期待していたからです。それからしばらくは心労のためやせ細りました(体重は増えました)。ところが、五月の下旬になってAmazonから「大賞の発表から時間が経っているが、採用面接を追加で入賞作品にすることになった」とメールが入りました。私は「ヤッター!」とガッツポーズをとりました。
原作開発プロジェクトのウェブサイトを読み直しましたが、大賞以外の賞に関する記述は見当たりません。大賞は賞金30万円なのですが、優秀賞作品に賞金が出るのかどうかも不明です(予算化してなかったとか言って出ないかも……まあいいけど)。どんな事情があるのか分かりませんが、「採用面接」をネタとして使ってやろうかなという意図が少しでもあるなら大歓迎です。
私が小説をコンテストに応募したのは今回の「原作開発プロジェクト」が生まれて初めてです。2016年11月から2017年3月までの応募期間にAmazon KDPで出版した以下の五作品を順次応募しました。
- LGBT婚活コンシエルジュ
- 採用面接
- 性別という名のセレンディピティ
- ポケモンGO・私はこれで会社を辞めました
- 性を選ぶ
これら五作の私自身の評価は①性別という名のセレンディピティ、➁LGBT婚活コンシエルジュ、③性を選ぶ、の順番でした。採用面接はストーリー的にオーソドックスなTS小説の流れで、展開的にはこれでもか、これでもかとM度が高くなる小説です。私は「TS小説としてではなく一般のノーマル読者にも共感してもらえる小説」を書きたい(簡単ではないけれど何とか脱皮したい)と常に考えており、そんな観点で自分の小説を評価したので、採用面接は自己評価では上位に来ませんでした。おそらく、採用面接をTS小説を読みなれていないノーマルな審査者が読んで、インパクトが強かったのだと思います。
原作開発プロジェクトのコンテスト応募方法はいたってシンプルで、電子書籍を出版するためにAmazonにアップロードする際、キーワードとして「#原作開発プロジェクト」を含めるだけでした。一般の文芸作品のコンテストの場合、応募してから落選が確定するまでの数ヶ月間は主催者に預けた状態となり、せっかく書いた小説を自分で出版することができません。私は早く愛読者に読んで頂きたいと思いながら小説を書いているので、書き上げても出版できないという状況に陥るのは耐えがたいと思ったため、一度も応募しなかったのです。
原作開発プロジェクトは、電子書籍の作家にそのような制約を課さず、普段通り出版しながらコンテストにエントリーするチャンスを提供してくれる、歓迎すべきプロジェクトだと思います。
私は全作品をAmazon KDPだけで出版しています。昨年8月にAmazon Primeが開始されて以降、Amazonから送金されるロイヤルティー収入が半減しました。私の作品の愛読者層のかなりの部分がAmazon Primeに加入しており、無料ダウンロードするからです。出版プラットフォームをAmazonから他社に移行することも真剣に考えましたが、面倒なので断念しました。現時点でAmazonより条件が良くても、競争原理によりいずれは平準化するでしょうし、そんなことに時間を使うよりも小説を書くことに集中したいと思ったからです。
また、Amazon Primeによってロイヤルティー収入は激減しましたが、ダウンロード数は激増しています。ですので、当面は私の作品をより多くの方々に読んで頂けるよう、Amazonだけでの出版を継続したいと思います。
さて、採用面接をTVドラマ化したら面白いでしょうね。最も難しいのは配役です。主人公の男性はOL姿になった場合、嫌悪感を招かないまでも、滑稽だと思わせない俳優でなければなりません。山田涼介くんあたりなら何とかなるか……。でも、好演すればするほど、後々女っぽいイメージが纏わりつくので、俳優本人としては仕事を受けるべきかどうか悩むだろう(かなりビミョー、本人のためにはやめといた方がいい)と思います。むしろ、ボーイッシュな女優を主人公の男性として起用するのが無難かもしれません。吉岡里穂さん、新木優子さん辺りではいかがでしょう?いや、もっと男っぽい、例えばなでしこジャパンの元代表選手などを起用する方がよしもとらしい面白さが出るのでは……。
これは性転のへきれきTS文庫、日英TS文庫、その他の桜沢ゆうの出版物を紹介するHPと桜沢ゆうのブログを兼ねたサイトです。桜沢ゆうは千葉県在住の作家で、1997年に処女作「性転のへきれき(ひろみの場合)」を出版して以来創作活動を続けており、数多くのロマンス小説、ファンタジー小説、サスペンス小説、ソフトSF小説などを出版しています。作品の多くは性同一性障害、性転換のテーマを扱っています。小説の分類としてはTS小説が多く、その他は純文学となります。