SFまたは超自然的な力により性別が変わる小説

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性転のへきれきTS文庫はリアル系が大半ですが、SFまたは超自然的な力により性別が変わる小説も10作品以上あります。純然たるSFは2つだけで、落雷で男女が入れ替わるのが1作品、バイオが2作品、秘湯が2作品、憑依・超能力系が4~5作品です。現在、再校閲と表紙の見直しをした上でKULに戻す作業を実施していますが、このカテゴリーにはユニークな作品が多いと感じます。特に憑依・超能力系の4~5作品は(自分で言うのもなんですが)奥深く楽しめました。

今後もっと「SFまたは超自然的な力により性別が変わる小説」を書きたいと思います。リアル系のTS小説の場合は手順を踏んで女性化する必要があるので脱毛、女性ホルモン、声、手術の要素を網羅することになり、どうしてもストーリーに類似点が含まれてしまうからです。

[SFや超自然的な力により性別が変わる小説]

    • 僕が妊娠? 男が妊娠出産する世界
      男女二カップルの大学生四人組は卒業旅行に行くことになった。主人公の彼女の玲央に手配を任せたところ、玲央が手配したのは別の惑星への旅行だった。行ってみると、その惑星は一見地球と同じように見えたが、根本的な違いがあることに気付いた。その惑星では完全な女性上位で男性は従属的な地位に置かれていた。その原因は、妊娠・出産するのが女性ではなく男性であることにあるようだった。
    • 雷に打たれた女
      主人公の男性は超自然的な力により一瞬にして二十歳の女性に憑依する。へきれき(雷)が落ちた瞬間に転移が起きるので、まさに青天の霹靂本来の意味の通りだ。落雷と同時に男女がゴッツンコと衝突した瞬間に人格が入れ替わるという、あまりにも月並みで、クラシカルな性別転換が小説の冒頭で起きてしまう。男性は落雷で即死するので、主人公は女性として残りの人生を幸せに生きていけばよいわけだが……。この男女の転換が単なる偶然により起きたのではないことは、主人公と一緒に物語を体験しながら解き明かし、感動の最終章に向けて一気に読み進んでいただきたい。
    • 危険な誘惑:ファンタジー・シミュレーター
      危険な誘惑は二十八歳のOLの目を通して、女性にとっての快感とは何かという質問に対する答えを究極まで問い続ける、新しい形のシリアス・エンターテインメント作品。秋葉原を舞台として軽快なタッチで始まるストーリーを楽しく読み始めると、あっという間にファンタジー・シミュレーターが展開する世界に引きずり込まれてしまう。あなたは、どんな現実よりも現実的なその世界に足を踏み入れると、身動きできなくなってしまうかもしれない。
    • 危険な誘惑・MTF版・ファンタジー・シミュレーター
      二十四歳のサラリーマン凜太郎は、自分の奥底にある願望が予想しがたい形で実現されるファンタジー・シミュレーターというシステムに出会い、恋人の優樹菜を巻き込んで、別世界へと旅立つ。その世界で、凜太郎は凛子という女性になるだけではなく、予想もしなかった怖ろしい状況に置かれる。極限の設定の中で凛子が経験することは、読者の心の奥底に長年消えないほどのショックを残すかもしれない。MTFとは何なのかを突きつける最終章にも注目。
    • 猫にマタタビ
      ネコの視点とネコの感性でジェンダー、友愛、恋愛、家族愛、性的衝動を含むネコの人生の真実を描く。高校生の主人公はマタタビを食べると身体がネコになり、ネコの視点で第一人称で語る。いわゆるセックスシーンは無いが非常に官能的な小説。

[分子生物学系のSF]

    • 私はクローン
      向坂大吾は三十二歳のIT会社社長。末期癌におかされて余命三ヶ月を宣告され、それをフェイスブック、ツイッター、公式ホームページなどで公開し、癌克服の方法について公募する。その結果、二つの新規技術に救いを求めることになった。一つは治験段階以前の強力な新薬候補物質(天然物の誘導体)で、もう一つは向坂大吾の細胞からクローン人間を作って脳の中の情報を転写するというとてつもない方法だった。新薬候補物質は濃度を上げた段階でアナフィラキシーショックを起こし向坂大吾は意識を失う。冷たいベッドの上で目を覚ますと、何となく身体に違和感を感じたが、クローンの実験が成功したことを悟った。
    • 世界維新(女性が全てを支配する日)
      静岡県のサッカー少年でチームのエースだった杉村美瑠久は準決勝の前半に得点を上げるが、その直後にアタックした際に出血して中途退場する。病院での診断は美瑠久の人生に根本的な変化をもたらす。その一年後、中東での紛争で使用された「ある兵器」が予期せぬ変化を遂げ、数週間のうちに地球の人口の約半分に「外観では分からない小さな変化」をもたらす。その変化は数ヶ月の間に世界を静かに、自然に、そして不可逆的に変革するのだった。美瑠久のTS体験と、悲しく感動的な美瑠久の恋が見所。

[性転の秘湯]

    • 性転の秘湯(春日温泉の湯守)
      長野県佐久市のとある温泉には美肌と若返りの効果があると言われているが、さらにその奥にある動物しか知らない秘湯に入ると、どんな老人も二十歳の若者に変身する。但し若返りには副作用がある。性別が変わるのだ。「性転換する温泉」というテーマには多くの作家が挑んできた。愛とは何か? 恋とは何か? 性とは何か? 人生とは何か? 夫婦とは何か? 主人公の人生を通じて普遍的な愛・恋・性について問い続ける小説。予想もできないフィナーレに期待。
    • 時間制限付きの女性化:性転の秘湯②(若返りの秘湯)
      退職したばかりの真理夫は還暦同窓会で四十五年ぶりに再会した初恋の女性から、思いがけない提案を受ける。中学時代に、裏磐梯の山中にある若返りの秘湯の伝説について彼女と一緒に調べたことがあったが、彼女はその秘湯の場所に関する確かな手がかりを手に入れたとのことだった。真理夫は妻の帰省に時期を合わせて、彼女と冒険旅行に出かけることを決意する。

[憑依、人格転移、超能力、その他]

  • 津波に飲まれた性別(幽かな友人・私を愛した幽霊)
    主人公の少年は小学校六年で両親を亡くし過去の記憶を失ったまま山梨の祖父母の子供として育つ。千葉の大学に進学して小六の同窓会案内が届き、不安を抱きながら福島の小学校の理科室で二十人のクラスメートと懐かしい出会いを果たす。翌日、実家の祖父母からクラスメートは全員が津波に飲まれたと聞かされる。
  • 未来が見える少女
    高校生の深沢芽依の学校からの帰り道、頭の上にドングリが落ちてきた。ドングリはあく抜きをすれば食べられると田舎の叔母に聞いたことがあったので、ドングリを沢山集めることにした。地面に落ちたドングリでは汚いので、木から落ちてくるドングリをキャッチしようと思いついた。しかし、実際にやってみたところ、いつどこに落ちてくるか分からないドングリを手でキャッチするのは至難の業だと判明した。ドングリキャッチを試行錯誤しているうちに、芽依は自分が超能力を持っているということを発見する。
  • 失われたアイデンティティー
    主人公の間宮孝太郎はエリート商社マン。東京の本社で課長をしている。七月の上旬に間宮の課に派遣された若い女性はアンバランスで場違いな感じのする美人だった。重めの前髪が目の上ギリギリで切りそろえられ、本来キュートな髪形のはずが、大人っぽ過ぎる物憂い表情によって相殺されて、人を寄せ付けないオーラが漂っていた。派遣が始まった翌日の夜、課で彼女の歓送会が催された。主人公は対面の席に座った彼女と会話を弾ませ、彼女も間宮に心を開いたかに見えた。お酒の回った間宮だったが、酔った彼女をタクシーで家まで送る役割を引き受ける。アパートの玄関のドアの前までのはずが、彼女の誘いに乗って部屋に入った。それは間宮にとって小さな過ちだったが、僅かな気のゆるみのお陰で間宮は驚天動地の世界を経験することになるのだった。

これは性転のへきれきTS文庫、日英TS文庫、その他の桜沢ゆうの出版物を紹介するHPと桜沢ゆうのブログを兼ねたサイトです。桜沢ゆうは千葉県在住の作家で、1997年に処女作「性転のへきれき(ひろみの場合)」を出版して以来創作活動を続けており、数多くのロマンス小説、ファンタジー小説、サスペンス小説、ソフトSF小説などを出版しています。作品の多くは性同一性障害、性転換のテーマを扱っています。小説の分類としてはTS小説が多く、その他は純文学となります。

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