桜沢ゆうのファンタジー・シミュレーター・シリーズの第1弾の小説として「危険な誘惑」が発売されました。女性読者を想定して女性にとっての官能とは何かを極限に近いドラマチックな状況設定の中で問い続ける小説ですが、男性が読んでも迫力があります。従来の女流官能小説やジェンダー・スワップSF小説とは一線を画する新しいジャンルを示唆するエンターテインメント作品です。
【ファンタジー・シミュレーター・シリーズについて】
ファンタジー・シミュレーターはジェンダー・スワップ(何らかの形で性転換や性の交換が起きるジャンル)のサイエンスフィクション・シリーズです。ファンタジー・シミュレーターの扱う「未来」とは10年後、100年後ではなく、わずか数分後の未来であり、現実の世界の目と鼻の先で展開します。
【危険な誘惑のあらすじ】
あなたのファンタジーや深層心理にある願望がひとつひとつ実現されたら・・・・。
主人公の28歳のOLはある日、ファンタジー・シミュレータと出会い、自分の小さなファンタジーがコミカルな形で実現された世界に飛び込みます。
それは親友の女性を巻き込む結果を招き、2人の女性は新たな世界に送り込まれてしまいます。
その奇妙な世界は主人公の潜在意識に潜んでいた願望が危険な形で実現された世界でした。
ストーリーが進むにつれて、ファンタジー・シミュレータによって主人公が送り込まれる3つの別世界と現実の世界は境界が薄れ、重要度の差がなくなってきます。
最後に送り込まれる世界で、主人公は完全に未経験でチャレンジングな状況に置かれますが、しっかりと前を向いて未来へと羽ばたきます。
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危険な誘惑は28才のOLの目を通して、女性にとっての快感とは何かという質問に対する答えを究極まで問い続ける、新しい形のシリアス・エンターテインメント作品です。
秋葉原を舞台として軽快なタッチで始まるストーリーを楽しく読み始めると、あっという間にファンタジー・シミュレータが展開する世界に引きずり込まれてしまいます。
あなたは、どんな現実よりも現実的なその世界に足を踏み入れると、身動きできなくなってしまうことでしょう。
元々Mな女性読者を想定して書かれた作品ですが、男性読者の心に潜む願望を思わぬ方向に開花させる可能性がある衝撃の作品です。
ストーリーの後半では性同一性障害の本質が白日の下にさらされます。
【後記】「危険な誘惑:ファンタジー・シミュレーター」は28歳のOLが主人公の小説です。性転のへきれきTS文庫の愛読者向けに主人公を24歳の男性サラリーマンとして「危険な誘惑MTF版」も並行して出版しました。危険な誘惑のように主人公の性感を重視する小説において主人公の性別を女性から男性に変更するのは冒険的な試みでした。基本的にストーリーの流れは同じであり、同じように面白いTS小説が出来上がったと思いますが、主人公の相手役である優樹菜との心と身体の深い交流の部分は、両方とも女性である「危険な誘惑:ファンタジー・シミュレーター(原作)」の方が一枚上だと思います。どちらか一方をお勧めするとすれば原作ですが、レズ・シーンに抵抗を感じる方はMTF版をお読みください。(両方とも読んでいただくのが私としては一番うれしいです!)
これは性転のへきれきTS文庫、日英TS文庫、その他の桜沢ゆうの出版物を紹介するHPと桜沢ゆうのブログを兼ねたサイトです。桜沢ゆうは千葉県在住の作家で、1997年に処女作「性転のへきれき(ひろみの場合)」を出版して以来創作活動を続けており、数多くのロマンス小説、ファンタジー小説、サスペンス小説、ソフトSF小説などを出版しています。作品の多くは性同一性障害、性転換のテーマを扱っています。小説の分類としてはTS小説が多く、その他は純文学となります。