「魅惑の女王に成り代わった男」は歴史物のTS小説です

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「魅惑の女王に成り代わった男: 壮絶な愛と挫折の物語」を出版しました。本書はObsessed by Resemblance(著者:Yulia Yu. Sakurazawa)の日本語訳です。

私の小説にはインドを舞台にするものが20作品以上存在しますが、本書はイスラム教に支配されていた時代のインドを描いた最初の作品です。中学の歴史にムガール帝国について教わったという記憶がありますが、それより300年も前からインドはデリー・スルタン朝(イスラム教)によって支配されていました。デリー・スルタン朝は幾つかの時代に別れますが、最初の奴隷王朝と言われる時代の一際精彩を放つ異色の支配者が、ラズィーヤ・スルタンという女性です。

主人公は19歳の兵士ファルハン・アッバースです。ファルハンは国王であるラズィーヤ・スルタンと自分の顔が驚くほど似ているのを見て驚きます。女王の真似をしたい一心で、ラズィーヤ・スルタンの連隊に所属する兵士としての任務を怠るようになり、ラズィーヤ・スルタンに自分を似せることに懸命になります。妹のシャイスタがファルハンの女々しい性癖について両親に告げ、両親は息子を「治療」するために、知人の娘アイシャと無理矢理結婚させようとします。ファルハンは男性として花嫁を迎えることに強い違和感を覚えて、ラズィーヤ・スルタンを真似た衣装で女装して結婚式の会場から逃げ出します。

花嫁のアイシャの兄イムランの追跡から逃げようとしていたファルハンは、ラズィーヤ・スルタンの幼馴染かつ政敵のアルトゥニアの手により拉致され、アルトゥニアの後宮で匿われます。後宮(ハーレム)での生活によってファルハンの人生は根底から覆されることになります。

ラズィーヤ・スルタンとその周辺の人物に関する部分は史実ですが、彼女に似た兵士ファルハンに関する部分は100%フィクションです。ラズィーヤ・スルタンはインドの歴史を紐解くうえで欠かせないスター的存在であり、本書は壮大な歴史小説と交錯するTSエンターテインメント小説となっています。


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