僕は落第ヘルパー:4月から研修医になるはずが……


「落第ヘルパー」の再校閲を機に「僕は落第ヘルパー」として改訂再出版しました。細部にはかなり手を入れましたがストーリー自体は同じですので重複購入にご注意ください。

最近の性転のへきれきTS文庫の改訂出版においては、本のタイトルと表紙画像により何に関する小説なのかがわかるように工夫しています。その結果として小説の半ば近くで起きることまでがタイトル、表紙画像、説明文によりほぼネタバレになる場合があります。「僕は落第ヘルパー」の場合は医大を優秀な成績で卒業し医師の国家試験も余裕で通るはずだった主人公の寿々男が、蓋を開けてみれば国家試験に落ちていて、翌年の国試までの1年間をピンクのナース服を着てヘルパーとして働くことになるというお話しです。

しかし、TS小説の読者はその程度の展開は言われなくても敏感に察知し、そうなることを期待して読むものであり、むしろそんな展開になると分かった上で読んだ方が、主人公に押し寄せる逆境の波を共感しながら体験できると思います。(シェークスピア劇でこの方法が多用されているのはよく知られている事です。)

小説の中にも出て来ますが医師国家試験には「地雷」と呼ばれる禁忌肢問題が含まれており、医師として選ぶべきでない選択肢を一定数選んでしまうと、いくら点数が良くても不合格になるという落とし穴があります。当然受かるはずの医学部の優等生が地雷を踏んで一浪することは、よくあることなのです。また、年により日が異なりますが医師国家試験の合格発表は三月後半になり、平成二十二年の場合は三月二十九日の発表でした。自宅から通えない病院で四月一日から研修医をすることが決まっている場合には当然引っ越しも終えているので、三月二十九日に不合格だったことが分かると非常に困るわけです。主人公の寿々男の場合はその病院で三月一日から研修を兼ねてヘルパーのバイトをしており、不合格になるとバイトを続けながら来年の国試に備えるか、それとも実家に帰るかの二者択一になりました。そんな事情を知らない人があらすじを聞くと無理な設定だと思うかもしれませんが、決してそうではないのです。

なお、「僕は落第ヘルパー」の主人公が小説の中盤で国試に落第したことが判明しても、どん底に落ちたわけではなく、これでもか、これでもかと言うほどの疾風怒濤の嵐が待っているので、期待してお読みください。

医療ものの小説はどうしても医師が中心になり(病院と言う確固たるヒエラルキーに守られた世界男性医師であるにしても女性医師であるにしてもいわゆる男性社会)を上から見下ろす小説が多くなります。「僕は落第ヘルパー」は徹頭徹尾ヘルパーと看護師の女性的視点で病院の内部を描いた医療もの小説ですので、その点もお楽しみいただければ幸いです


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