ユキの場合 第25章 | 性転のへきれき

ユキの場合 第25章

第25章

結局、父は私の誘惑を無視し、私は父の性器を垣間見る機会さえないまま、野上が来訪する日を迎えた。

私はボリューム感たっぷりのドレープのサークルスカートをはいて父に夜行バスの到着場所まで車で送ってもらい、父には先に帰ってもらった。早春の透明な朝の風がパープルのスカートをさらさらと揺らす。

バスは定刻から20分ほど遅れて到着し、野上はスポーツバッグ一つの軽装でバスから降りてきた。寝ぐせのついた髪が隆々とした若い肢体に不思議なアクセントを添えている。私の大事な人、誇らしくて愛おしい。

抱き付くと優しいキスをして強く抱き返してくれた。スカートが風に舞って野上の膝に絡んだ。私のおへそには彼の固いものが感じられる。それは私の大切な宝物。

まだ頭のしびれが消えないうちにタクシーに乗って、私の実家に着いた。

「お父さん、僕にユキさんをください。」

「ユキが普通の女でないことを分かった上のことですな。」

「はい。何があっても僕がユキさんを守って一生幸せにします。」

「わかりました。こんな娘でよければ差し上げましょう。」

安物のドラマのような型通りの挨拶の間、野上の横で円形のパープルの広がりの真ん中にちょこんと正座した私は、ダイレーターを初めて差し込んだ時のように脳天から膣口を貫く稲光に打たれて忽然としていた。この夢の数分間を神様から与えられた私は、もう死んでもいい。

父が野上を一目見て気に入ったことは、父の様子を見てわかっていた。父の若いころは、野上みたいな感じだったんじゃないかな。昭和の女の子たちに持てたんだろうな。

昼食はざるそばを出した。野上が父と話している間にさっと茹でることができる。まだフルに家事ができる体ではなかったが、出前は取りたくなかった。

「ご両親にユキのことは話しましたか?」
父が率直に切り出した。

「結婚したい子ができたので近々会って欲しいとは言ってあります。」

「ユキの特殊性についてはまだ説明していないんですね。どこまで話すつもりですか。」

「僕は妹と二人兄妹ですから、子供ができないことは結婚後まで言わない方がよいと思っています。」

「半陰陽などの説明も避けますか。」

「勿論です。」

「しかし、戸籍を見られれば性別が変更になっていることは分かりますからね。」

「最近は個人情報保護が進んでいるので、結婚と同時に本籍を移して二人だけの戸籍にすれば、見せずに済む可能性も高いですよ。万一見られたら、女性半陰陽とか説明をすればなんとかなると思います。」

「私の妻の籍を抜いて養女になったことも隠しますか。」

「そうですね。下手に取り繕って説明すると後で知られたときに色々辻褄が合わなくなると却ってまずいので、何も言わずにおこうと思います。」

「子供ができないことが分かって、その後で性別変更のことが分かったら、ご両親はユキを恨むでしょうね。離婚するようにあなたに迫るのが目に見えています。」

「どうしても結婚したいから隠しておくのがベストだと判断した、と説明します。両親が納得しない場合は、親子の縁を切ってでもユキを守ります。」

「全ての問題を先送りする戦法ですが、他に名案も出ませんから仕方ないでしょうな。」

「はい。親を騙すのはつらいですが、早く籍を入れて既成事実を作ってから、ユキさんと二人で力を合わせて戦っていきたいと思います。」

「ユキ、隠しおおせるとは思えないから、ご両親の恨みを一身に浴びて辛い思いをするのは確実だぞ。それでも結婚したいんだな。」

「はい、野上さんと一緒に居られるのなら、どんなに辛いことも我慢できます。」

どう対応すべきか、せめて女性半陰陽のストーリーで説明しておかないと、ばれた時の反発が大きすぎないかなどと、昨日までは父も私も迷っていたが、確かに野上の考えが正解だと思う。

跡取り息子が、わざわざ子供を産めない女を嫁に取ることをご両親が許すはずがない。万一説得できたとしても、元男子として学校に行っていたことが耳に入ったら・・・。そう、私と結婚しようとする男は誰であろうとこの問題から逃れられない。

分かった上で結婚してくれるとしたら、アルツハイマーで介護も必要な両親と小さい子供3人を残して妻に先立たれたばかりの醜男ぐらいなものだろう。でも、今の私は最悪の場合それでもいいから、子供たちのママになって、毎夜、固い夫に膣を貫いてもらうことを、幸せの形と思っている。

そうだ。どんな汚い手を使ってご両親を騙してでも、とにかく野上さんの妻になろう。後は野とも山ともなってくれ。

野上は今晩は家に泊まって明朝の列車で徳島に出て京都行きのバスに乗るとのことだ。京都の友人と約束があるらしい。

父は、野上に祖谷渓谷を見せたいと言い張ったが、私はもっと野上と一緒にいたかったし、まだ無理をして同行できる体ではないので、結局家でゆっくり過ごすことになった。

夕食は外に食べに行くと人の耳を気にして話すことになるので、家で鍋を囲もうということになった。
「鍋なら手間もかからないから。」
と父が言い野上もその気になっているが、献立が違っても夕食を作って片付ける手間に大差はない。

病み上がりの私を働かせようとする不届きものは一体どこの誰だ?それは憧れの君と最愛の父。そう思うと、ひとり笑ってしまった。この二人に美味しいものを食べてもらって喜んでもらうこと、それが私の幸せだし、私が生きている意味なんだ。

父と野上は4時前に松尾川温泉に出かけた。車で30分余りかかるが、常々父が自慢している源泉かけ流しの硫黄泉だ。私はまだ連れて行ってもらったことが無い。6時半ごろまでに帰ってくれれば私にとっては好都合だ。

二人は私が持たせた浴衣を着て父と息子のように帰宅した。

「わたしがこの家にお嫁に来たのかな。」
と錯覚したほどに屈託がなかった。

鍋をつつきながらお酒を酌み交わし、私がお酌しようとすると、嬉しそうに競って受ける父と野上。

私と血の繋がっていない大型の雄ライオン二頭の間を縫って、両方とも自分のものにしようと誘引剤を撒いて飛ぶサイボーグの蝶々みたいな私。

私は洗い物を片付け、客間に布団を敷いて野上に床を準備した。

父が野上とウィスキーの水割りを飲み始めたのを見届けて、わたしはシャワーを浴び、紺に黄色と白の抜染柄をあしらった浴衣を着て薄化粧した。

父の亡くなった奥様、私にとっては義母と呼ぶべき女性が残したもので、和装に慣れた品の良い女性であることを偲ばせる着物だ。こんな私がこの浴衣を着ることになるなんて義母は思ってもみなかっただろう。父がわたしを離縁して娘にしたので、
「まあ、娘なら着せてやってもいいわ。」
と思ってくれているかもしれない。

夜が更けて、おやすみなさいと各々の部屋に散った。酔うと寝付きが早い父の部屋の襖の外で寝息を確かめてから、そっと客間に忍び込んで寝息を立てている野上の横に添い寝した。

くのいちの侵入に気付いた野上は侵入者を容易に取り押さえ、キスをしながら、体をまさぐり始めた。簡単にほどけない浴衣の帯で右往左往する野上の指を押さえて、
「ごめんね、まだ傷が完全に治っていないから、手術から6週間は性交が禁止されているの。」
と言った。

私が自ら帯を半分解くと、野上は裸で立って私と唇を合わせた。両手を野上の首に回し背伸びしてキスを続ける私の体から帯と浴衣を取り去られた。

野上は私の脇の下に差し込んだ両手を器用に使って、首から頭にキスの雨を降らせながら軽々と私の体を上下させた。固くそそり立つものの先端が粘液を帯びて私のおへそからクリトリスにかけて上下し続けた。

彼から粘液をもらったクリトリスは狂喜の悲鳴を上げ、私はAカップに満たない乳房の真ん中でコチコチになった乳首とクリトリスを少しでも強く彼の体のどこかに押し付けようと爪先立って躍った。全身の血管が限界まで拡張して頭のてっぺんからつま先までジンジンになった。

彼がもう少しで達しそうな気配がしたので、私は跪き、彼のものを口の中に導いた。

「夢見てたの。ずっとこの子が欲しかった。」

舌と口の全部を使い、食べてしまいたくて頭を左右に回した。何秒か後、「ううっ」「ううっ」「おおっ」と呻きながら、立ったままの彼は無糖のヤクルトのような精液を惜しげもなく私だけに振舞った。

「おいしい。ありがとう。うれしい。」

絶頂から冷めた彼が両手で私の頭を掴んで引き離すまで、私は狂ったように口と舌で私の大切なものを愛撫し続けた。

そのまま布団の中で抱きしめられ二つの裸体が密着している間、私は屹立したままの愛しい子を右手で握りしめていた。

「これは私だけのものよ。早くわたしの中に入れて欲しい。待ち遠しい。」
声に出さずに繰り返した。

彼のものが柔らかくなって、トイレに立とうとした野上と一緒に起き上がり浴衣を着た。おやすみのキスをして部屋に戻った。

至高の時間を再現する思いでダイレーションをしてから火照った体のまま眠りについた。

カテゴリー: ユキの場合, リアル系TS小説

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