ENCHANTED INTO THE THIRD GENDER(第3の性への誘惑・英語版)を出版

Enchanted_EnglishVersion4月下旬に出版しご好評をいただいている「第3の性への誘惑」の英語バージョン “ENCHANTED INTO THE THIRD GENDER” を発売しました。

桜沢ゆうにとって初めての英語の小説です。約2週間、超特価のUS$0.99(約120円)で販売します。

この英語版の出版の経緯については、「第3の性への誘惑」日本語版の「あとがき」に詳細に解説されています。その部分を以下に引用しますのでお読みください。

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実は「第3の性への誘惑」は性転のへきれきシリーズの他の小説とは異なる作り方をしました。普通、長編小説を書く場合には、まず大体の荒筋を決めてから、プロットを書き、そのプロットを基に小説を書いていきます。

プロットの書き方は小説家によって千差万別ですが、第1章でいつ誰と誰が出会って何を始めるとか、章ごとの展開を記します。小説家によっては、そのまま短編小説として出版できるほど完璧なプロットを書く人もいるようです。

「第3の性への誘惑」は、短編小説に近い詳細なプロットを英語で書きました。それを日本語に翻訳すると約4万文字になる長さですので、一般的な短編小説並みの詳細なプロットです。何故英語で書いたかというと、ゴーストライターを起用して、英語圏の読者向けに「ENCHANTED INTO THE THIRD GENDER(第3の性への誘惑)」という小説を出版しようと考えたからです。

それでは何故そのまま長編小説まで書かないのか?というご質問に対する答えはシンプルです。英語力の問題です。私はアメリカで数年間暮らした経験がありますので質の低い英語ならスラスラと文字にできるのですが、「美玖の場合」の森村ほどの英語力があるわけではなく、アメリカの知識人が読めば一目で外国人英語と分かる小説しか書けないからです。

同じ英語のプロットに基づいて、この日本語の小説(約11万文字)を書きましたので、小説家にとっては「一石二鳥」というか「一プロット二小説」という効率の良い結果が上がることになります。

短編小説をベースに長編小説を書くという初めての試みに挑んだ結果、それが非常に非効率な方法であることを思い知らされました。プロットから小説を書くのは簡単で当たり前の作業ですが、一度文章になってしまった短編小説を、2~3倍の長さの長編小説にするのは、ゼロから書き始めるのに近い労力を要するという事実に気付いたのです。結局、短編小説を章ごとに読みくだいて、頭の中で章ごとにプロットを再構成して書き始めるという羽目になりました。

英語バージョンが出来上がるのはまだ数週間先になると思いますが、恐らくゴーストライター氏も短編小説を章ごとに読んでプロットを再構成する作業に追われているのではないかと想像しています。

結局のところ、日本語バージョンと英語バージョンは、大筋は同じ(例えばララがプリーシャと駆け落ちしてレズカップルとして暮らすというほどの番狂わせは無い)にしても、同じ小説とは言えないほど、別物になるのではないかと期待しています。原作者の書いたの日本語バージョンを、打ち負かすほどの英語バージョンが出来上がったらいいのに、と競作の結果を楽しみにしているという次第です。

蛇足ですが、アメリカにはゴーストライターを職業にしている人やバイトしている人が大勢いて、専門サイトを経由して案件ごとに簡単にゴーストライターを雇うことができます。小説だけではなく、雑誌の記事やブログの更新を含め、あらゆるシーンでゴーストライターが活躍しているのです。

ゴーストライターを起用する際には必ず起用条件に関する契約書が締結されます。標準型の契約書には、報酬は一時金のみで版権や著作権は全て雇い主に帰属する旨と、仕事の内容やゴーストライター契約の存在に関する厳しい守秘義務が謳われています。

例えば小説が賞を取り、惜しくなったゴーストライターが「実は自分が書いた」と漏らしたために雇い主が不利益を受けるような事態になれば、ゴーストライターは巨額の損害賠償を受けることになります。最近日本で世間を騒がせたゴーストライター・スキャンダルは、ゴーストライター契約書が締結されていれば起こるはずがないことなのです。

ちなみに「第3の性への誘惑」の英語バージョンの場合は、ゴーストライターの起用を作者(私)がこのように公言し、表紙にも “Co-Editor: Joe Braun” という表現でゴーストライター名を書くことにしました。これはゴーストライター自身が、自分の名前を出しても恥ずかしくない作品にしようと力を入れてくれるだろうという期待感と、私がネイティブ並みの英語で小説を出せば自分で書いたものでないことが誰の目にも明らかと言う、二つの理由によるものです。

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この英語版の小説は3万語で、もし日本語に翻訳すれば約9万文字になるはずです。日本語版と比べて大筋は同じですが、各エピソードについては相当な違いがありますので、日本語版を読了された方でも、別の小説としてお読みいただけるのではないかと思います。英語版を書いたのは男性ですので、同じプロットに基づく小説でも、特に性交が絡む部分では日本語版とは明らかな差があり、それ以外の部分の描写には性感に本質的な違いが感じられるのが興味深いところです。

 

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